長年に渡り、

市内の小学校で子どもたちに書道を教えてきた、

書家の成沢臨舟さん。

この度、指導に終止符を打つことになり、

先月or今月24日(火)に

野岸小学校で「感謝の会」が開かれました。

 

この日は、野岸小学校の代表児童や、山下教育長などが

野岸小学校の放送室に集まり、

書家の成沢臨舟さんを招いて、

「感謝の会」を開きました。

 

成沢臨舟さんは、現在89歳。

東御市出身、市内耳取在住で、

県の書道展で審査員を務めるなど、

書家として精力的に活動しています。

 

後進の育成にも力を注ぎ、

およそ50年に渡り、自宅で書道教室を運営している他、

市内の小学校で子どもたちに書道を教えてきました。

 

東小学校で5年間、美南ガ丘小学校で8年間、

そして野岸小学校で12年間に渡り、

子どもたちに書道の魅力や心得を伝えてきた成沢さん。

 

野岸小学校では3年生以上の児童を対象に

年3回の指導を行い、

児童1人ひとりに向けて、

名前入りのお手本を用意してきたと言います。

 

成沢さん

「前もって、それこそ1日がかりで書きますし、

それこそ3校やっていたときは、

夜なべっていうか夜9時頃まで。

一番多く書いたのは、書初めのお手本で、

1016枚書いたことが、

一番多かったですね。大変でした。」

 

そんな成沢さん。

89歳と高齢になったことから、

小学校での指導に終止符を打つことを決断。

 

この日は、

最後の授業を前に成沢さんに感謝の気持ちを伝えようと、

代表児童から手紙や花束が贈られました。

 

成沢先生の言葉

「きれいな字や整った自分の名前、

美しい作品にするには、どこが大事なのか。

私の話を一生懸命聞いてくれて、

長く心地よい授業をさせていただきました。

後ろ髪を引かれる思いではありますが、

退任させていただきたいと思います。

吹奏楽をはじめ、伝統ある野岸小学校のみなさん。

ますますの発展を心から祈っております。

長い間本当にありがとうございました。」

 

野岸小学校では今後も、

職員向けの研修などを通して、

成沢さんとの交流を続けていきたいとしています。

 

児童

「止めやはらいなど、たくさんのことを学びました。

もう最後ってなって、感謝の気持ちで、

丁寧に名前まで書いていただいて、

一人ひとりに指導していただいて、とても感謝しています。」

 

成沢先生

「うれしいですね。

いつも言っていることなんですけど、

十分子どもたちに理解してもらっていることが

何よりうれしいです。

だからよその学校に行っても、

野岸小学校の子どもは名前がうまいって言われるのは、

非常にうれしいです。

言葉を見て書くんじゃなくて、

お手本を見て、よく理解するっていうこと。

お手本をまず分析して、

どこから筆を入れたらいいかとかね。

折れだとか、ハネだとか、はらいだとか、

そういうことが毛筆では大事なことでね。

いつもそういうことをね、心掛けていて、

子どもたちがいつも授業でよく聞いてくれるのでね、

理解してくれるので、みんないい作品を書くから、

ほめることが多いですね。素晴らしい子どもたちでした。」