日本を代表するアートディレクターで構成される

東京アートディレクターズクラブによる展覧会、

「日本のアートディレクション展2022」が、

現在、小諸高原美術館・白鳥映雪館で開かれています。

 

この展覧会は、東京アートディレクターズクラブ、

通称「ADC」が主催するもので、

東京都・石川県・それに長野県小諸市の3か所で、

例年この時期に開かれています。

 

「ADC」は、1952年に結成された団体で、

日本を代表するアートディレクター82人で構成。

アートディレクションという考え方の普及を目的に、

展覧会やデザイン作品をまとめた年鑑の制作などに

取り組んでいます。

 

中でも、国内外で注目されている展覧会が、

現在行われている「日本のアートディレクション展」。

これは、ADCの会員が審査する

広告作品の年次公募展で、

ことし11回目の開催となります。

 

その年の日本国内で使用、掲載された応募作の中から

毎年「ADC賞」を選出。

ことしは、およそ6000点もの応募があり、

そのうちの受賞作品やノミネート作品など

およそ140点が展示されています。

 

個性あふれる作品の数々。

今回、学芸員の白鳥純司さんに

注目作品を紹介していただきました。

 

白鳥さん

「こちらの「HIROSHIMA APPEALS 2021」の作品は、

原爆の悲惨な記憶とそれに対する平和を希求するポスターの

キャンペーンの作品になります。

この作品は、特にポスターを見て頂けるとわかるんですが、

真っ黒いポスターともう一つは

鳩に灰がかかったポスター。

対比で展示されていますが、

黒い余白の中に想像力を掻き立てるような

象徴的なポスターが特徴的ですごく面白いなと思います。」

 

また市民展示室では、

長野県内在住のクリエーターらでつくる

「長野ADC」が主催する

「2022長野ADC展」も開催。

ことし7回目の開催となり、

長野ADC賞の受賞作品やノミネート作品など

およそ70点が展示されています。

 

白鳥さん

「こちらのグランプリの作品は、

醸造酒のプロモーションになります。

特にこの作品についてなんですが、

原色を使った青い瓶なんですが。

クリエーターの方がおっしゃっていましたが、

誰も見たことのないお酒の瓶を作りたいとのことで、

青い瓶の中に原色を使った5色のラベルが

すごく挑戦的でそこがすごく面白いです。

 

こちらは本の作品になります。

上田の水野さんというクリエーターによるデザイン作品なのですが。

白と青の対比ですとか、あとはこの中身ですけど、

すごく文章だけではなくてカラーによる写真ですとか、

そういうものも色々組み合わせて

読み手が読みやすい構成になっております。

あと、このしおりも側面が青くなっていまして、

こういうところのさりげなさ。

デザイン性の高い本になっておりまして。

私個人的にはこれがすごく気に入っていますね。」

 

「日本のアートディレクション展2022」と

「2022長野ADC展」は、

今週2月4日(土)まで、

小諸高原美術館・白鳥映雪館で開かれています。

 

白鳥さん

「日本のアートディレクション展と、

こちらの長野展は同時開催なんですが、

東京のADC展に関しては、

東京とこちらの小諸市と石川県野々市市の

3か所のみの開催となっています。

全国で選び抜かれたデザイン作品と、

あとは長野で選りすぐりの作品、

この両方が楽しめる展覧会になっております。

市民の方にも、そしてデザインを志す方、

また学生の方などにもぜひ見に来ていただけたらなと思っております。

よろしくお願いします。」