現在進められている、

国の重要文化財、「旧小諸本陣」の保存修理。

建物の位置を移動させる「曳家工事」が

今月21日(水)に始まりました。

 

昭和48年6月に国の重要文化財に指定された、

「旧小諸本陣」。

18世紀末から19世紀初頭に建てられたとされ、

江戸時代には公用の書状や荷物の輸送を行う

問屋場として使われていました。

 

現在は建物の老朽化が進み、

令和2年度から総額8億5千万円を見込む

旧小諸本陣保存修理事業が行われています。

 

今回、効率的に作業を進めるため、

建物の位置を移動させる「曳家工事」が

行われることになりました。

 

解体工事中の主屋には

全体を覆う「素屋根」の建設が必要となり、

作業スペースを確保するため、

主屋を北へ4メートル、

西へ1.5メートル移動させます。

 

この日は、集まった人たちに見守られながら、

重さ100トンの建物がゆっくりと位置を変えていきました。

 

今後は、来年9月まで

第2期工事として母屋の屋根瓦や土壁を解体。

 

その後、第3期工事として、

文化庁からの現状変更許可を受けて、

江戸時代の姿に戻すため

およそ4年かけて組み立てを実施。

令和9年度中の修理完了を予定しているということです。

 

土屋さん

「建物自体が動くということになりますので、

建物を上にあげたりとか、レールの上を転がしたり、

という工程がありますので、建物の状態については、

水平を保つという形で職員さんたちが気を遣ってやってくれていると思います。

実際に建物が動いた後については、

素屋根というものが作られますので、

建物全体を仮囲いで覆うような形になります。

その中で、まだ解体が終わっていませんので、

進めていくという形になりまして、

屋根の瓦の取り外しや、小屋組の解体といったもので、

建物がほとんど柱だけの状態になっていくという形です。

で、この建物自体を修繕したいというところがありますので、

斜めになっているところをこの状態で直していったりして、

修繕を行ったあとで、実際に復元という形で、

壁とか屋根とか、古い部材、使えない部材については取り替えたり、

使えるものは再度利用したりという形で、建物を復元していきます。

建物自体はですね、街道に残っている問屋で、

しかも重要文化財に指定されているのは、

全国的にも数例しかないものになりますので、

実際に建物のあったときの姿や、内部の姿は、

復元できればみなさんに見ていただきたいと思っております。」