ことしで28回目を数える

「小諸・藤村文学賞」の入賞作品が決定し、

20日(月)に記者発表が行われました。

 

「小諸・藤村文学賞」は、小諸にゆかりの文豪、

島崎藤村の生誕120年、没後50年の年から、

毎年行われているもので、

ことしで28回目を数えます。

応募者の自己啓発や

応募作品を通じた交流の機会を生むことが

ねらいとなっています。

 

エッセイが対象で

ことしも国内外から2626作品が寄せられました。

 

選考委員を務めるのは作家など4人です。

事務局で2回の予備選考を行い、

記者発表の前日、19日に選考委員による

本選考を実施。

24点の入賞作品が決定しました。

 

ことしは、一般、高校生、中学生、それぞれの部門で、

最優秀賞1人、優秀賞2人、佳作5人が選ばれました。

 

選考委員は、

「今しか書くことができない、

コロナ禍の状況をつづった作品が多く、

時代のドキュメントになっている」と

講評を述べていました。

 

一般の部、最優秀賞に選ばれたのは、

東京都在住の峯田泰彦さんの作品

「父の腕時計」です。

 

この作品は、

介護施設に入所する

認知症の父との思い出をつづった作品です。

父と息子の関係が情感豊かにしたためられ、

場面場面が映像として浮かんでくるような作品だと

高く評価されました。

 

その他、高校生の部、中学生の部の入賞作品も発表。

生きづらさをつづった作品が多く、

選考委員は

「エッセイはどのように逆境を乗り越えるか」を考えるきっかけに

なっているのではないかと述べました。

 

また、今回、

多くの市民に参加してもらおうと

小諸市民や小諸に通学する学生に贈られる、

市長賞・教育長賞を新設。

一般の部、高校生の部、中学生の部から、

あわせて3人が入賞しました。

 

小諸市長賞には

朝月聡望さんの作品

「忘れえぬ記憶と共に」が選ばれています。

 

また、教育長賞には

小諸商業高校の今村翠さんの作品

「日常の疑問」。

そして、

芦原中学校の栁沢真帆さんの作品、

「私の好きな町」が選ばれました。

 

今回、小諸市民からは132件の応募があり、

去年を大きく上回る応募数となりました。

応募者全体では、中学生や高校生、

それに20代・30代の応募が増えたと言います。

選考委員は

「書くことを通して、自分を見つめ直したり、

自分の生活を豊かにしようとしたりする傾向が

あるのではないか」と話していました。

 

「小諸・藤村文学賞.」の表彰式は、

藤村忌にあわせ、8月21日に実施予定。

また、市長賞・教育長賞に選ばれた作品と

受賞候補となった作品を集めた作品集を制作し、

市の文化施設に配布する予定だということです。