日本を代表するアートディレクターで構成される

東京アートディレクターズクラブ「ADC」による展覧会が、

今月9日から来月11日までの日程で、

小諸高原美術館、

白鳥映雪館で開かれています。

 

日本の広告・デザイン界を代表する

東京アートディレクターズクラブ「ADC」は、

アートディレクションという考え方の普及を目的に、

展覧会やデザイン作品をまとめた年鑑の制作などに

取り組んでいます。

 

ADCでは、その年の優れた広告作品などを公募・審査し

「ADC賞」を選出。

毎年グランプリの作品をはじめとした

優秀作品を展示する「日本のアートディレクション展」を

東京と石川県、そして小諸高原美術館の3カ所で

開催してきました。

 

毎年この時期に展覧会を開いていましたが、

去年は新型コロナの影響で中止に。

そのため今回は、

2019年5月から2021年4月までの2年間に発表された

およそ1万点の応募作品の中から、

優秀作品およそ170点が展示されています。

 

個性あふれる作品の数々。

今回、学芸員の白鳥純司さんに

特に注目の作品を紹介していただきました。

 

白鳥さん

「こちらは佐藤可士和さんの環境空間が

今回、グランプリを受賞されました。

この作品はですね、2022年の国立新美術館で開催された

佐藤可士和展の環境空間の作品になります。

みなさんおなじみの企業さんのロゴを使った空間でしたり、

あとはウェブでもプロモーション活動されていたということなんですが、

そういうのも全部含めての環境空間が

今回、受賞ということになりました。

ぜひ今回このポップな空間を体感していただけたらなと思っております。

赤色でしたり、シンプルなデザインなんですけど、

人目を引くような配色の仕方だったり、

ちょっとしたフォントのデザインでしたり、

細かいところも見どころだと思いますね」

 

「こちらは上田電鉄さんの、

台風19号によって流されてしまった赤い鉄橋なんですが、

それの復旧を祝ってのポスター作品になっております。

こちらはですね、大正13年に赤い鉄橋が竣工になった時の当時の図面をもとに、

デザインされております。

レトロなデザインと後はもう一つ赤いロゴは、

赤い鉄橋の形と地元の著名な神社の鳥居に朝日が登ったみたいな、

朝日と鉄橋の形を合わせたみたいなロゴのデザインを配置しまして、

レトロな図面と現代的なロゴのデザインの組み合わせ

ということろが見どころだと思います。」

また、市民展示室には、7年前に立ち上げられた

県内在住のクリエイターらでつくる「長野ADC」が主催した

長野ADC賞の受賞作品やノミネート作品など

およそ70点も展示されています。

 

白鳥さん

「こちらの作品は、田んぼギャラリー10周年ということで、

田んぼに行こうという環境空間の作品になります。

こちらは、田んぼにポスターを並べるイベントになっております。

こちらの長野ならではの環境を生かした空間のデザインとなっております。

特に見どころは、田んぼにただ並べるだけではなくて、

タイポグラフィーを配置して、デザイン的に仕上げて、

そこでみなさんの方で、コミュニケーションを図ってもらう

というようなところが見どころだと思います。」

 

「こちらはシングルマザー・シングルファーザーの方に

必要な情報を提供するための応援のウェブ作品になっております。

今回ウェブデザインの方が清水さんなんですが、

この方が地元・小諸の方でして、

今回準グランプリということで、非常に地元としても嬉しく思っております。

見どころはですね、こちらのイーヨというロゴなんですけど、

笑顔の形を文字ってあると思うんですけど、

それと子どもに切り絵、紙を切って、

それをデザインして、

それを取りこんで作品にしてあるというところが

すごくこだわりの部分だと思っております。」

 

日本のアートディレクション展2020-2021と

2021長野ADC展は、

来月11日(金)まで、

小諸高原美術館・白鳥映雪館で開かれています。