ことしで26回目となる「小諸・藤村文学賞」の表彰式が
藤村忌前日の21日(金)、
ステラホールで行われました。
「小諸・藤村文学賞」は、
小諸ゆかりの文豪、島崎藤村の生誕120年、
没後50年の年である平成4年に
創設されたものです。
募集対象はエッセイ。
26回目の開催となることしは、
国内外から2390作品が寄せられました。
ことしは、新型コロナウイルス感染防止対策として、
Web会議ツールZOOMを使用し、
オンライン形式で表彰式を開催。
入賞者24人のうち13人がオンラインで出席しました。
一般の部、最優秀賞に選ばれたのは、
京都府京都市在住
植田郁子さんの作品
「図書館の深海魚」です。
長年図書館司書として働いていた筆者が、
図書館での出来事や心情を綴ったこの作品。
筆者は日々人間関係に悩む中、
「地上は人間のさまざまな感情に溢れている。
しかし、図書館の下にある閉架書庫は
物言わぬ静かなまるで深海のようだ」と感じます。
自身を深海魚に例え、波風の立たない閉架書庫で
心を癒していましたが
やがて人間関係は安定し、筆者が閉架書庫に行くことは
なくなったといいます。
想像力に優れ、
イメージをかきたてる作品だと高く評価されました。
植田さん
「私は20年ほど前から
エッセイの執筆をライフワークにしておりますが、
この小諸藤村文学賞は私の憧れの賞であり、
また長年目標にしてきた賞でもありました。
ですので、今回まさかの最優秀賞を受賞できましたことは
本当にこのうえない喜びです。
何度挑戦しても入賞できず、落ち込んでいましたときに、
私の高校時代からの友人が年賀状に継続は力なりだよ、
と書いて送ってくれたこともありました。
自分はこの言葉に支えられて書き続けてこられたとも思っています。
これからもこの、継続は力なりという言葉を胸に
ますます精進を続けていくつもりでおります。」
入賞者24人の作品をまとめた作品集は
小諸図書館をはじめ、全国の図書館などに配布され、
自由に閲覧できるということです。