ながらスマホ運転の危険性についての講演が

今月18日(土)に佐久市で開かれました。

 

講演会は千曲運輸株式会社が

交通安全祈願特別記念講演として開いたものです。

会場となった佐久地区トラック研修会館には

およそ80人が集まりました。

講演を行ったのは当時9歳だった次男の敬太さんを

ながら運転により失った

愛知県立一宮東特別支援学校教諭の則竹崇智さんです。

今からおよそ3年前の2016年10月26日、

則竹さんの次男、敬太さんは

一宮の横断歩道を渡っている際、当時流行していた

「ポケモンGO」のゲームをしながら運転していた

トラック運転手に命を奪われました。

「ハロウィンを楽しみにしていて、

3週間後の誕生日を楽しみにして、10月の26日、

彼の人生が終わってしまった。

なんでだろう。どうしてだろう。

本当にそう思う日。あの日に戻れたらな。

そう思わない日は正直ありません。

本当に色んな思いを、思いの1179日間です。」

しかし運転手に下されたのは3年の実刑判決。

「運転手は3年で戻ってくるが

敬太は2度と戻ってくることはない。」

判決について怒りをあらわにした則竹さんは事件発生後、

一宮市長や愛知県知事などへながら運転に対する

厳罰化の要請を行い、

2016年12月2日に国家公安委員会へ直接要請しました。

また則竹さんは2017年から近隣の中学校や高校・

企業や団体などで講演を行い、

去年末までに110箇所以上で

ながらスマホ運転の危険性を訴え続けてきました。

則竹さんの活動の成果もあり、去年12月からは

ながら運転に対する法律が厳罰化。

事故を起こしていなくても携帯電話を保持しているだけで

6カ月以下の懲役または10万円以下の

罰金が科されることに。

反則金も普通車の場合6000円だったものが

1万8000円に増額。減点も3点となりました。

講演の中で則竹さんは、

運転手の責任や被害者遺族の悲しみについて話し、

「ながらスマホ運転は殺人行為」

・「交通事故はまさかに潜んでいる」

「交通事故は人災」などの言葉と共に

トラック運転手たちに

ながらスマホ運転の危険性を訴えました。

「交通事故は悲劇しか生まない。

こういう思いをする人は

今も全国でどこかに正直いるんですよね。

交通死亡事故、交通事故は本当に減っています。

昭和20年の統計以来、確実に減っています。

一番少ない。昨年度一番少ないと言われていても

3000人以上の人が亡くなっている訳ですよ。

一日に9人ずつくらい亡くなっている。

何とかしていけないものか、

そういう思いで色んな所に行って

講演もさせていただいております。

私はこの講演をすることが一回一回が敬太の供養に繋がる。

そう思ってお話をさせていただいております。」

 

講演を受けたドライバーたちは終始真剣な面持ちで

ながらスマホ運転の危険性について

理解を深めている様子でした。

則竹さんは今後もこうした講演を通して

ながらスマホ運転を無くすため尽力していきたいとしています。

またこの日は小諸警察署が

運転免許証を自主返納した

65歳以上の高齢者を対象に

運転卒業書の交付式を行いました。

これは、小諸警察署が独自に、

免許を自主返納した高齢者に対し、

運転卒業書を交付する制度をスタートさせたことから

この日初めて行われたものです。

運転卒業証書交付第1号となった返納者は

御代田区在住の大井進さん(91歳)です。

今回自主返納に至った経緯について

自主返納を勧めた孫の健太さんはこのように話しました。

 

大井健太さん

「やっぱり今ニュース観てても高齢の方、

事故起こすのが多いので、

加害者も被害者も不幸になってしまうので、

それだったら家族がサポートしてあげる代わりに

免許返納してもらおうかなという話合いはしましたね。

今地域がどんどん支援してくれるんで

何か問題を起こす前に

自分から返納していただければと思いますね。」

 

そして今回交付式を執り行った

小諸警察署の清滝吉春署長はー。

「去年の4月に東京の池袋で

高齢者のドライバーの方が

お母さん、お子さんを

はねてしまうという事故がありました。

それを契機として高齢者の運転、

安全運転というのが非常に問題となっていまして、

自主返納という制度を周知できればなということで

始めさせていただきました。

ご自身はもちろんなんですけれど、

返した後のご家族、

それから地域の周りの皆さんの

サポートが必要だと思います。

一緒にですね、高齢者の事故防止を

考えていただければと思います。」