今年、創立80周年を迎えた日本ペンクラブでは、

80周年の特別企画第1弾として、

初代会長を務めた島崎藤村ゆかりの小諸で、

《ふるさとと文学》「島崎藤村の小諸」と題した

文学イベントを、18日(土)に文化センターで開きました。

会場には、事前申し込みのあった700人を超える、

およそ800人が詰めかけ、

ホールに入りきれなかったおよそ100人は、

会場外に設けられた、

パブリックビューイング会場でイベントを楽しみました。

イベント最初を飾ったのは

「夜明けをひらく~島崎藤村の人・作品・世界」と題した

映像作品に講談師の語りを付けたステージです。

日本ペンクラブ専務理事で佐久市出身の作家、

吉岡忍さんによる書き下ろしの脚本をもとに

制作されたもので、

藤村の生い立ちから小諸時代、

そして小説家としての歩みなどをまとめた

およそ40分の映像と語りに、

会場は引き込まれていました。

また、俳優で作家の中村敦夫さんによる

島崎藤村の「千曲川のスケッチ」の朗読も行われ、集まった人たちは、

中村さんの語り口に、

島崎藤村が見た小諸の情景を重ねながら、

聴き入っている様子でした。

その他、作家の井出孫六さんと、

日本ペンクラブ副会長で、作家の下重暁子さんによる対談も行われました。

「島崎藤村の小諸」をテーマに、

井出さんと下重さんは、

藤村が詩人から小説家へと変わる

貴重な時代を過ごした小諸について話しました。

日本ペンクラブは、「国際ペン」の日本センターとして、

1935年・昭和10年11月に創立されたものです。

今回の文学イベントは、日本ペンクラブが、

地方が疲弊し若者が自分たちの住む地域に

誇りをもてなくなってきている中、

文学者によって伝えられてきたふるさとの良さを見直し、

文学の振興につなげたいと、

創立80周年を記念して企画したものです。

小諸市は、初代会長を務めた島崎藤村が、

明治32年から6年余りの歳月を過ごした場所であることから、

小諸の地で第一弾が開かれました。

日本ペンクラブでは、

今後、「ふるさとと文学」と題して

全国各地で同様のイベントを開催していく計画です。

小諸市内外から多くの人が足を運んだ今回のイベント。

様々な角度から、

明治の文豪、島崎藤村について知ることができる、

大変貴重な機会となったようです。