市内坂の上小学校では、

39年間欠かさずに続けられている事業があります。

それは、小諸の姉妹都市である富山県滑川市にある

田中小学校との交流事業です。

昭和49年に小諸と滑川が姉妹都市提携を結んだ時に、

それぞれの市の少年野球チームが

交流試合をしたことをきっかけに

学校同士の交流が始まりました。

以来2つの小学校では、

友好の証として記念木などを贈り合っており、

去年の秋には、

かねてから建て替え工事が進められていた田中小学校の

旧校舎に使われていた木片が

坂の上小学校に贈られています。

 

22日には田中小学校から

児童や保護者など58人が坂の上小学校を訪れ、

はじめに歓迎会が行われました。

今回の交流事業では、

22日と23日の2日間市内各所を訪れて

互いの小学校の6年生たちが

交流をはかることになっています。

会では坂の上小学校の児童会長も挨拶に立ち、

遠方から訪れた子どもたちに歓迎の言葉を贈っていました。

会の最後には、歓迎の意味を込めて、

坂の上小学校の6年生が、

一生懸命練習してきたという合奏を披露しました。

一方田中小学校の子どもたちは、

滑川に古くから伝わる民謡

「新川古代神(にいかわこだいじん)」に合わせて

踊りを披露しました。

 

この日の午後、一行は小諸城址懐古園を訪れ、

遊園地で遊具に乗って楽しみました。

中でもツインドラゴンは一番の人気で、

沢山の子どもたちが行列を作っていました。

滑川市には遊園地などのテーマパークがなく、

子どもたちにとっては久しぶりの遊園地となります。

皆、色んな乗り物に乗って楽しみながら

互いの交流も深めているようでした。

 

翌23日には、松井農園でりんご狩りを楽しみました。

海の近い港町で暮らしている田中小学校の子どもたちにとって、

リンゴ狩りは初めての経験。

初めて見る木に生った状態のりんごの姿に感動しながら

子どもたちは赤く熟れたりんごに手を伸ばしていました。

前日の夜は、坂の上小学校の子どもたちの自宅に泊まった

田中小の子どもたち。

一晩同じ屋根の下で過ごしたことですっかり打ち解けた様子で、

リンゴ畑には笑顔があふれていました。

その後一行は古城にあるそば打ち道場を訪れ、

そば打ちを体験しました。

田中小の子どもたちにとって、このそば打ちも初めての経験です。

何か月も前から楽しみにしていた子も多く、

皆興味深々の様子でそば粉に触れていました。

また、そば打ち経験のある坂の上小学校の子どもたちが

リードして作業を進める場面も見られ、

そば打ちを通して互いの親睦も深めていました。

子どもたちが打った蕎麦は、その後すぐに振る舞われました。

自分で作った蕎麦の味は格別だったようで、

皆何杯もお替りしては美味しそうに味わっていました。

田中小の子どもたちの中には、

普段食べているそばが粉末からできているということを

知らなかった子どももいて、

体験する全てのことが新鮮に感じたようです。

 

PTAの会長さんのお話しの中にもありましたが、

長年行われている交流のため、

親子2代にわたって

小諸を訪れたという人も多いそうです。

特にご紹介した田中小学校では、

6年生の修学旅行が計画されていないため、

この小諸との交流が、

校外学習として大きな役割を占めていると伺いました。

この交流の成果か、滑川市では、

「姉妹都市 小諸」という意識が

市民にも随分定着していると言います。

こうした交流事業を通して、

ますます姉妹都市の絆が深まっていくことを期待したいですね。

なお、今年の10月には、

坂の上小学校の子どもたちが滑川市を訪れ、

この日会った子どもたちと再会を果たすことになっています。