八十八という文字を組み合わせると漢字の「米」になることから、

立春から数えて88日目には

五穀豊穣を願って各地で様々な行事が行われてきました。

これにあわせて3日(土)には、柏木の阿弥陀堂で、

八十八夜祭を執り行いました。

地域の伝統行事に参加しようと、

この日は 柏木上区と柏木下区から多くの人が集まりました。

柏木の阿弥陀堂には今から171年前、

弘化3年からこの地域で大切に守られている

阿弥陀如来が祀られています。

かつて飢饉や大雨洪水が多かった時代、

この阿弥陀如来は

人々の心の拠り所として信仰されてきました。

また、阿弥陀堂に隣接するように建てられている祠は

「蚕影様(こかげさま)」と呼ばれ、

長年にわたって養蚕の神様として崇敬されています。

八十八夜祭は、

この阿弥陀如来と蚕影様を祀ったお祭りで、

柏木地域では毎年続けられている伝統行事です。

挨拶に立った柏木阿弥陀堂役員会の

小山昭太郎代表は、

「柏木地域の財産として

大切に守っていきましょう」と、

集まった人たちに呼びかけていました。

かつてこの地域では養蚕が盛んだった名残りから、

祭典では五穀豊穣を願い、

繭玉をかたどった団子を護符として撒いていきます。

一斉に団子が撒かれると、

集まった人たちはご利益にあやかろうと手を伸ばし、

懸命に拾い集めていました。

この日撒かれた団子は、柏木上と柏木下の区の役員たちが、

朝から集まって作ったものです。

会場に集まった全員に行きわたるようにと

今年も沢山用意されましたが、

あっという間に撒き終わり、区民の手に渡っていました。