長年に渡り、小諸市御牧ヶ原地区で進められていた、「みまき大池」や

畑地帯の整備がすべて完了し、

竣工を記念する石碑の除幕式と竣工記念式典が

先月30日に行われました。

この日は整備が完了したみまき大池の湖畔で、

竣工記念碑の除幕式が行われ、

関係者らおよそ60人が出席しました。

あいにくの雨の中、

実行委員会の役員や、長野県の和田恭良副知事、

それに小諸と佐久の両市長らが、

「躍進みまきの潤恵」と書かれた記念碑を始め、

碑文碑や名簿碑など3つの石碑の除幕を行いました。

式では、竣工を祝って神事が行われ、

関係者らは、玉串を捧げて、

今後の安全な運用を祈願していました。

この事業は、ため池の老朽化による水不足や、

農業者の高齢化で農地の荒廃が進んでいた

小諸と佐久にまたがる「御牧ヶ原地区」の

農業の再生を目指し、

「県営畑地帯総合土地改良事業」として、

行われてきたものです。

農業用水や農地の確保、それに担い手の育成による

農作業の効率化を大きな柱としており、

水田や畑、それに果樹栽培園など、

あわせて46ヘクタールの区画整理が行われた他、

調整池としてみまき大池の整備と、

地区内で利用した用水をみまき大池に戻して

循環かんがいを行う施設として34ヘクタールの整備が行われました。

総事業費は21億9千万円です。

これらの整備に向けては、

平成9年に、小諸市の川辺地区の農業者を中心に

実行委員会を組織。

平成10年に県の事業計画の確定を受け、

地権者の承諾を得た上で、

平成11年から調整池などの工事が進められてきました。

途中事業の中断も余儀なくされましたが、

平成25年度に全ての事業が完了。

実行委員会立ち上げから

実に16年10ヶ月の歳月を費やしています。

みまき大池湖畔に作られた記念碑は、

この事業に関わってきた地元住民の熱意の結集によって完成しました。

この日、ベルウィンこもろに場所を移して行われた

竣工記念式典で、

県営畑地帯総合整備事業小諸御牧原地区

実行委員長を務める清水英信さんは、

「思えば長い道のりだったが多くの人のおかげで試練を乗り越えることができた。」などと

これまでの歳月を振り返りました。

また、清水実行委員長は、

「若者の農業離れが進む中、若い担い手も確保できた。

石碑に刻まれているように、躍進の原動力となることを願っている。」とも

述べていました。

農業用水の整備や畑地帯の整備が進んだことで、

周辺一帯では、

小諸市の川辺地区の農業者らが中心になり、

菜種油の生産を目的とした菜の花栽培や、

景観もあわせて楽しむ「菜の花まつり」の開催、

また、白土ばれいしょの生産と販売や、

担い手農家によるりんごの「新わい化栽培」など、

独自の取り組みが進められています。

今後も、完成した「みまき大池」を中心とした、

地域農業の発展に期待が持たれています。