荒堀区にある薬師堂では、20日(木)、市の重要無形文化財にも指定されている、
「夜明かし念仏」が行われました。
この日は、区民を中心に、
近隣地域の住民などおよそ60人が集まる中、
区の有志でつくる「夜明かし念仏保存会」の会員が
道場の中央に組まれたやぐらの中で、
伝統の念仏を唱えました。
荒堀区の夜明かし念仏は、先祖の冥福や家内安全、
それに豊作を祈願して、
毎年、春の彼岸に合わせて3月20日に行われています。
江戸時代から行われており
400年以上の歴史を持つ、この「夜明かし念仏」。
かつては翌朝まで念仏を唱えていたことから、
この名前がついたといわれています。
昭和46年には市の重要無形文化財にも指定されました。
保存会の会員たちは、
地域に脈々と受け継がれてきた伝統文化を守ろうと活動しており、
この日も真剣な表情でおよそ1時間にわたって念仏を唱えていました。
集まった人たちは、太鼓や鉦を打ちながら唱えられる
念仏の独特の節回しに聴き入っているようでした。
一段落したところで、
区の子どもたちが参加しての数珠回しが行われました。
数珠回しは、子どもたちの健やかな成長や家族の健康を願って
行われるものです。
参加した人たちは、
およそ8メートルの長い数珠を、
会員らの掛け声にあわせて元気に回していました。
また、子どもたちは、
途中、念仏に使われる太鼓や鉦を鳴らすなど、
大人たちの所作をまねて楽しそうに行事に参加していました。
夜明かし念仏保存会では、
今後、若い世代にも呼びかけながら、
この伝統文化を継承していきたいとしています。