今年の春、市内御牧ヶ原にある「茶房 読書の森」に移築が完了した大型アート作品

「どうらくオルガン」のお披露目を兼ねたトークショーが24日(土)に開かれました。

 

大型アート作品「どうらくオルガン」は、絵本作家の田島征三(たしま・せいぞう)さんと、

音楽家で「ロバの音楽座」代表の松本雅隆(まつもと・がりゅう)さんの共同作品で、

去年新潟県の越後妻有(えちごつまり)地区で開かれた「芸術祭」に出品されていたものです。

トークショーの冒頭 挨拶に立った「茶房 読書の森」のオーナー依田雄(よだ・ゆう)さんは、

「どうらくオルガンが作られた新潟県は豪雪地帯のために作品の保存が難しく、

当初は芸術祭終了後に取り壊される予定だった」と紹介。

その上で、「多い時には1日およそ2000人が見物に訪れるこの作品を壊してしまうのはもったいないと

思い、受け入れを申し出た」とこの場所に移設されるに至った経緯について説明しました。

続いて、この作品の作者の一人である田島征三さんが、

自身の芸術に対する考えやどうらくオルガンに寄せる想いなど独自の世界観で話を展開しました。

その中で田島さんは、この作品のもう一人の作者、松本雅隆さんについて触れ、

「彼の音楽は、子どもたちを自然と引きつけ、盛り上げる力がある。

そんな松本さんと、自分の考える作品を形にしたいと思った」などと、

どうらくオルガンの製作に至った経緯について話しました。

続けて田島さんは、どうらくオルガンに込めた自身の想いについて、次のように話しました。

集まった人たちは、独特の語り口調で持論を展開する田島さんの話に、

引き込まれるように聞き入っていました。

トークショーの後には、どうらくオルガンの前で演奏会も行われました。

楽器を奏でているのは、県内各地で演奏活動を行っているクラシックユニット、

コピーヌクラブのメンバーです。

この日は、どうらくオルガンの作者の一人である松本雅隆さんが代表をつとめる

「ロバの音楽座」が手掛けた楽曲なども披露し、会場に華を添えていました。

展示されているどうらくオルガンは、建物の中央にある箱に開けられた穴を手のひらでふさぐことで

柔らかな音色を出すことができます。

訪れた人の中には、オルガンの内部に入り、不思議そうな様子で辺りを見渡す人や

実際に演奏に挑戦する人の姿も見られました。

皆、これまで見たこともないような独創的な楽器と触れあいながら

思い思いの時間を過ごしているようでした。

この日は、県内はもちろん、県外からも多くの人が訪れ、田島さんの独特な世界観に

ひたったということです。

 日本を代表する絵本作家、田島征三さんが手掛けたアート作品を小諸市内で見ることができます。