22(木)、文豪 島崎藤村の命日にあたるこの日、

懐古園内にある藤村記念館前では、今年で71回目となる藤村忌が行われました。

 

「小諸なる古城のほとり、雲白く遊子悲しむ――」

 明治の文豪で小諸ゆかりの詩人島崎藤村の命日であるこの日、

懐古園内にある藤村記念館の前には、県内外から多くの人が集まりました。

 

式の冒頭挨拶に立った栁田市長は、島崎藤村の功績をたたえた上で、次のように話しました。

続いて、江戸川大学の教授で小諸市が主催する「藤村文学講座」の講師も務めている

新井正彦教授が、「藤村の故郷を思う心 ~水との関わり~」と題して講話を行いました。

講演の中で新井教授は、

「藤村の故郷である馬籠(まごめ)は飲料水に乏しい土地であったため、

藤村は水への執着心が強かった。

千曲川など、作品に水の描写が多いのはこのためで、藤村にとって小諸は、

故郷につながる想いがあったのではないか」などと持論を展開していました。

講演が終わると、市民有志など様々な団体が登場し、藤村が作詞を手掛けた歌などを披露しました。

また、藤村の詩集を再構成して作られた「惜別の歌」を参列者全員で歌うなど、

皆、今は亡き島崎藤村に思いを馳せているようでした。

最後に参列者たちは、一人一人祭壇に菊の花を手向け、静かに祈りを捧げていました。

この藤村忌、今年で71回目の開催となりました。

参列した人たちにとっても、感慨深いものとなったようです。