15日、県内の消防救助隊が集まって救助技術を競う、「長野県消防救助技術大会」が開かれました。

小諸消防署救助隊は「障害突破」という種目で出場し、去年に引き続き、見事優勝。

2連覇を達成しました。

薄曇りとなった、15日。

篠ノ井にある長野県消防学校では、県内の消防救助隊が集まって、

陸上・水上あわせて11の種目で県代表の座をかけて熱戦を繰り広げました。

小諸消防署の救助隊が出場するのは、災害現場のあらゆる障害を想定し、

「乗り越える」「登る」「渡る」「降りる」などの動作を駆使して、数々の難関を越えていく

「障害突破」という種目です。

「救助の花形」とも呼ばれている競技で、高い技術力と体力、精神力が必要となります。

この競技への挑戦を始めて8年目となった去年は、県大会で初優勝。

関東大会へも出場しています。

3月にチームが結成されてからおよそ3ヶ月、隊員たちは県大会2連覇という目標を掲げ、

毎日のように訓練に励んできました。

本番当日となったこの日も、最後の最後まで、隊員たちは細かい調整を行っていました。

本番を想定し、隊員皆で動きを確認していきました。

自らも隊員として大舞台を経験してきた隊長副隊長が、隊員一人一人に最後までアドバイスを送ります。

何度も何度も繰り返し、納得のいくまで訓練してきた隊員たち。

その表情からは、「やるだけやってきた」そんな自信さえも感じられます。

去年一度優勝経験のある隊員たちは確かな手応えを感じている様子。

その姿は、新入隊員たちの自信にも繋がっているようでした。

決戦の時が、刻一刻と近づいてきます。

最後の最後まで動きを確認する隊員、一人集中力を高める隊員。

時間の使い方はそれぞれ…でも、想いはひとつ、優勝を勝ち取ることです。

練習場をあとに、いよいよ会場へと向かいます。

隊員たちの表情からは、緊張感の中にも、どこか堂々とした自信が感じられます。

決戦の部隊となる訓練棟を眺めながらも、隊員たちの想いはひとつでした。

いよいよ小諸消防署の救助隊が出場する「障害突破」の競技が始まります。

小諸消防署の出場順は参加3チーム中2番目。

観覧席で見守る 隊長副隊長も緊張の色を隠せない様子です。

一番手のチームがゴールし、いよいよ小諸消防署の番がやってきました。

競技で使う用具を、自分たちの手で所定の場所に置いていきます。

競技開始まであと数分。

緊張が最高潮になるときです。

そして…これまでの訓練の成果を発揮する時がやってきました。

出だしは好調。いつも通りのペースです。

しかしここで足が滑ってしまったのか、少し足取りが乱れてしまいました。

まだまだ競技は始まったばかり。

気持ちを切り替えて競技を続けます。

ここまで来れば競技も終盤。

この煙道を抜けたらゴールが見えてきます。

あとはロープをまとめて走るだけ… 隊員たちの挑戦は終わりました。

手元のストップウォッチでは、今の段階でタイムは1位。

競技を終えて仲間の元に帰った隊員たちの表情は晴れやかです。

そしていよいよ最終チームの競技が始まりました。

減点がなければ、このチームのタイム次第で優勝が決まります。

隊員たちをはじめ、応援に駆け付けた小諸消防署の署員たちも、祈るような気持ちで見つめていました。

3チーム全ての競技が終わった時点で、手元のストップウォッチでは1位のタイム。

ただ、隊員ひとりひとり、うまくいかなかったと減点が気になる箇所もあるようです、

減点になってしまうと、たとえタイムが一位であっても優勝が遠のきます。

減点さえなければ…そんな想いのもと、隊員たちは結果が発表されるその時を待ちました。

そして…減点なしの500点。

タイムは僅差ではありますが、関東大会出場を表す欄に、確かに丸印がつけられています。

優勝です。

これまで合言葉のように唱えてきた「県大会2連覇」という目標が、現実のものとなりました。

他の出場チームが、本番と同じ『通し』で訓練できる施設を持っているのに対し、

小諸消防署にはそれがありません。

普段隊員たちが訓練に使っている訓練棟の高さは、地上およそ2メートル。

本番はその7倍の15メートルもの高さとなります。

決して恵まれた状態で訓練ができた訳ではない。

それでも勝ち取った優勝という輝かしい結果は、隊員たちの、努力の結晶です。

喜びをかみしめる隊員たち。

これまでの辛かった訓練が報われる瞬間です。

県大会2連覇という一つの目標をクリアした小諸消防署救助隊。

次なる舞台、「関東大会」は、来月24日に横浜市で行われます。

これまでの訓練で培ったチーム力と強い想いのもと、さらに上の大会を目指して、

小諸消防署救助隊の訓練は続きます。