懐かしのSL「C56」が小海線を走り終えてから

ことしで50年目。

この節目を記念して、ことし5月

小諸市とJR東日本長野支社が共同で、

市民参加型のSL塗装プロジェクトをスタートさせました。

19日(土)と20日(日)には、

最後の一塗りを行う体験イベントが行われました。

 

19日のオープニングセレモニーには、

小泉市長やJR東日本小海線統括センターの中沢眞市所長

それにプロジェクトの支援者や鉄道ファンなど

多くの人が集まりました。

 

SL「C56」は、昭和13年に製造されたもので、

昭和47年12月までJR小海線を走っていました。

35年間に及ぶ小海線での走りを終え、

昭和48年、その一部である「C56144」が

当時の国鉄から小諸市に無償貸与され

現在、懐古園第一駐車場の入り口に展示されています。

 

「C56」が小海線での走りを終えてことしで50年。

今回のプロジェクトは

「C56144」の塗装全体が劣化してきていることから

50年の節目に、当時の姿をよみがえらせようと

小諸市がJR側に提案しました。

 

さらに、ことしは日本の鉄道開業から150年。

JR東日本長野支社の150周年記念事業と合わせて、

このプロジェクトが行われることになりました。

 

プロジェクトでは、塗装など修繕にかかる費用を、

ふるさと納税型のクラウドファンディングで募ることを計画。

ことし6月から9月までの3か月間、

全国から60人が支援し、98万7000円が集まりました。

 

また先月、

県内のインフラ整備などに携わる株式会社アンドーが

企業版ふるさと納税として

このプロジェクトに400万円寄付しました。

 

集まった寄付を活用し、

今月上旬には修繕作業がおおむね完了。

今回、クラウドファンディングで

2万円の寄付をした支援者への返礼品の1つとして

「C56144」に、

最後の一塗りを体験できるイベントが開かれました。

 

この日の午前の部には、寄付をした支援者や

株式会社アンドーの社員など、およそ10人が参加。

さっそく、塗装用のローラーを持って、黒く塗っていきました。

 

参加者こども

「楽しかった(どんなところが楽しかった?)塗るところ」

「(鉄道は好きですか?)好き(SLはどうですか?)好き。

楽しかった(大変じゃなかった?)ううん」

 

貴重な体験を楽しむ参加者。

中には、実際にC56で働いていたという、

91歳の元国鉄職員も。

当時のことを思い出しながら、

感慨深い様子で塗装していました。

 

塩川さん

「最初は、中込機関区に入ったんですけど、

最初は窯磨きと言われるような、保守の関係をしていまして、

それはだれでもやることなんですけど、

その後、試験を受けて、石炭をくべる、

機関助手になることになりまして、

小海線の中を、石炭をくべながら、

お客さんに乗ってもらって、

運転をする機関士と一緒に飛んで歩いたと、

そういうことであります。

本当にあの頃のことを思い出しながら、

楽しかったこと、石炭が悪い石炭で苦労したこととか、

大勢の仲間たちとかを思い出す、良い機会になったと思います。」

 

新たによみがえった「C56144」は

今後も懐古園駐車場の入り口に

展示されるということです。