小山敬三美術館では現在、

令和4年度前期企画展として、

「小山敬三と小諸のまち展」が開かれています。

小山敬三画伯を育て、支えた小諸のまちの歴史を

経済と文化を中心に紹介する企画展です。

 

1897年に小諸市に生まれ、

名誉市民の称号をもつ小山敬三画伯。

文化勲章受章者として広く知られています。

 

小山芸術の背景には、明治以降の製糸業や小諸義塾など、

小諸のまちの歴史が深くかかわっています。

 

堅実な小諸商人の魂と、

質の高い城下町の文化の中で育ち、

伝統的な教養を身に着けた小山敬三画伯。

今回の企画展では、画伯に影響を及ぼした

小諸のまちの歴史と文化を、

当時の写真や作品を通して紹介しています。

 

中嶋さん

「小山敬三の絵というとですね、非常に重厚で、

存在感のある絵ということになると思いますが、

一言で言えば、安定感のある絵なんですけれど、

どういうことでそのような作風になったかと考えれば、

もちろん若いころからデッサンの勉強をしたり、

自分で研究したりということの積み重ねで

そういう作風になっているわけですけれども、

そういう技術的なこと以外にもですね、

もっと背景があって、今の存在感や自信のようなものが現れて

我々が感じているんじゃないか、という風に思って。

私が考えますには、小諸のまちの長い年月をもって培ってきた文化、

あるいは、小山敬三のお父さんのような小諸商人の考え方、

あるいは使命感といった、

そういう倫理観のようなものが

小山敬三には子供の頃から染み込んでいて、

それが作風となって表れているのではないかと、私は考えます。

今回の企画展では、今申し上げたような、

小山敬三の絵画の背景にある小諸のまちの伝統的な文化、

あるいは人々の教養、考え方というものの一端を

ご紹介できればというふうに考えております。」

さらに常設展示室では、

小山敬三画伯の代表作品も数多く展示。

浅間山や姫路城シリーズ、さらに肖像画をはじめとした、

油彩、水彩などが楽しめます。

 

「小山敬三と小諸のまち展」は、11月27日(日)まで

小山敬三美術館で開かれています。