市内与良にある「与良町郷蔵」が、

「国の登録有形文化財」に登録されました。

 

「与良町郷蔵」は与良区の長勝寺境内に

江戸時代末期に建設されたもので、

町の蔵として

年貢米の保管をはじめ、

凶作や飢餓に備えた貯穀に使われていました。

 

土蔵造り、桟瓦葺きの置屋根形式で、外壁は荒壁仕上げ。

明治中期と昭和57年に内装工事が行われましたが、

ほぼ建設当時の姿を保っています。

現在は与良区が所有し、集会所として活用しています。

 

和田さん

「長い間かかわった人たちの苦労がようやく実ったなということで、

大変うれしく思っています。

与良区にはたくさんの財産があって、

財産管理委員会というのがありまして、

その人たちが、代々なんとかこれを保存して残そうと、

残すためにはやはり国の有形文化財に登録されなきゃ困る。

そのためにはどうしたらいいかということで、

いろんな形で市を通しながらも働きかけをして、

長い間やってきましたけれども、

なかなか思うようにならずようやくこういう形の結果が出たことで、

本当にうれしく思っております。」

 

郷蔵は小諸藩政時代にはほとんどの町や村にありましたが、

現存するのは「与良町郷蔵」のみ。

建設された場所で

当時の姿のまま保管されている点が高く評価されました。

 

また、江戸時代から残る古文書には、

子どもが産まれた家へ養育手当を支給するため、

郷蔵からもみを拠出していた記録も残っています。

当時の社会保障政策を支えた点も評価されています。

 

和田さん

「与良自治体が小諸市の中の歴史でいえば、

非常に大きな地籍のグループにななっているんですよね。

小原やこの近辺の区がみんな入っていましてね、

そこで供出米を保管したり、

非常事態のためのお米を保管したり、

等々いろんな形で重要な役割を果たしてきたわけですけどね

ここは与良の中心地区ですからね、

ここにあるということは、

我々与良にとっても誇りに思うし、

小諸のまちの歴史においても、

1つの建築物という風に思っています。

外からも中からも見たときに、

相当手を加えないと保存するのが大変なことになると思っております。

ただ、これからやっていくときに、

もう少し、我々がこれを大きくいじくらないで、

保存をどういう風にしていったらいいのか、

また、小諸市のみなさんに非常にこれの重要性というものを認識して、

来て、見ていただきたいなと、

あるいは子どもたちにも知ってほしいなとそんな思いが強くあります。」

 

市内の「国の登録有形文化財」は、

「与良町郷蔵」を含めて9件となりました。