信州の歴史的なまちなみをいかしたまちづくりについて考える

フォーラムが

16日(土)ベルウィンこもろを会場に行われました。

 

このフォーラムは、県内の町並み保全にかかわる

22の団体でつくる

「信州の歴史的まちなみネットワーク」と

「全国町並み保存連盟北陸甲信越ブロック」の

学習交流会として行われたものです。

 

去年、松代で第1回フォーラムを開催。

2回目となることしは、

本町区まちづくり推進協議会やこもろ観光ガイド協会、

NPO小諸町並み研究会などが実行委員会を組織し、

小諸市を会場に開かれ、

およそ60人が参加しました。

 

フォーラムでは、小諸市の旧北国街道沿いで

平成12年から行われてきた「街なみ環境整備事業」と、

現在進んでいる歴史的な建物の再生などについて、

小諸町並み研究会の荻原礼子さんが説明しました。

 

小諸市では、これまで84軒の建物の修理修景事業が行われ、

歴史的町並み整備が進められてきました。

今後は古い町並みを生かしながら、

建物の次世代への継承が課題となっています。

 

荻原さんは、

「古い建物に価値を感じている人が多い。

今後、歴史的な建物の物件化など、

仕組みを作っていきたい。」などと

今後の課題を話しました。

 

続いて行われた基調講演では、

千葉大学名誉教授で、全国町並み保存連盟理事長の

福川裕一さんが登壇しました。

 

福川さんは、都市計画、特に歴史的環境保全と、

中心市街地の再生が専門で、

川越や高松の丸亀町、それに石巻など

全国各地で、

歴史資源を生かしたまちづくりに関わってきました。

 

小諸市では、平成12年から23軒の建物を実測調査。

町屋館や与良館、脇本陣の宿粂屋などの

住民参加による活用計画づくりに携わっています。

 

福川さんは

「歴史の町並みが地域のブランドをつくる」と題して講演。

伝統的な建物の活用法についてこのように述べました。

「いずれ動きはあるわけですから、

その時に建物が壊されないようにする。

それから建物を適切に利用する人に利用してもらうようにする。

この体制を普段から整えていく必要がある。」

 

また、高松の丸亀町や石巻で自身が関わった

まちづくりの事例を紹介。

「地域経済社会の再生はまちなかから」だとして、

地域固有のライフスタイルを育み、守り、

発信する仕組みづくりの必要性を述べました。

 

この日はこのほか、歴史的なまちづくりを進めている

3つの県の市や町の事例報告も行われ、

参加した人たちがまちづくりのあり方を

じっくり考える時間となったようです。