ことし開館20周年を迎えた

市立小諸高原美術館・白鳥映雪館。

20周年記念企画展として、

今月1日から「長野県信濃美術館交流名品展」が

始まりました。

 

企画展初日の1日には、

県と市の関係者や、作品の鑑賞に訪れた人など、

およそ50人が集まりました。

挨拶に立った小林教育長は、

「今まで数々の企画展を作ってきたが、

特別の企画展がこれから始まるのだと嬉しく思う」と話し、

今回の20周年記念企画展に期待を寄せました。

現在、「長野県信濃美術館」は、

2021年のオープンを目指して新築建て替え工事のため、

休館中です。

小諸高原美術館・白鳥映雪館

開館20周年の節目に合わせ、

休館中の信濃美術館所蔵作品の展示の場として、

4000点の所蔵の中から選りすぐりの名品

45点が集められました。

年に3回ほど、

小さな規模の移動展覧会を開いている

信濃美術館ですが、

今回の規模の交流展は初めて。

東山魁夷や菱田春草、菊池契月、中島千波など、

近代から現代にいたる

信州ゆかりの代表的な作家たちの作品を

小諸の地で鑑賞できる貴重な機会となっています。

白鳥映雪画伯が戦後まもなく発表した作品や、

小山敬三画伯、島崎藤村の息子島崎鶏二の作品など、

小諸ゆかりの作家による作品も展示されています。

浅間山や千曲川、それに上高地など、

日本画や油彩画で描かれたふるさとの原風景の作品も多く、

訪れた人たちを楽しませています。

初日の1日には、信濃美術館の松本透館長による

ギャラリートークも行われました。

松本館長は、今回展示している、作家の経歴や作風、

また、作品の背景にある作家の思いに触れながら、

作品の特徴を紹介していきました。

東山魁夷の「静映」は、

ホクト文化会館中ホールの

緞帳として使われている作品の原画です。

水面に樹木が映る光景を描いたこの作品について、

松本館長はこう説明しました。

「横長の画面の真ん中、

中断あたりを水平に上下対象のところに水面を設けて

実像と実物の樹林と水面に映る幻のイメージ、

樹林の虚像をほとんど同等であるような描き方をしている。

それによって、心の中の風景的世界へ誘うみたいな技法かと思います。」

信州ゆかりの巨匠たちの作品を集めた

「長野県信濃美術館交流名品展」は、

今月24日(日)まで、

小諸高原美術館・白鳥映雪館で開かれています。