県内の豊かな食文化を

「風土」と「造り手」の観点から理解を深めるツアーが、

11日と12日の1泊2日、

小諸や佐久で行われました。

1日目には、日中に市内糠地にあるぶどう畑、

「テール・ド・シエル」を見学後、

市内古城にある老舗旅館「中棚荘」で、

ワインの造り手とのトークイベントが開かれました。

 

このツアーは、県農政部が

長野県の魅力ある食文化の背景を

味わうだけでなく

作り手の思いや生産現場などから知ってもらおうと

企画したものです。

第1回となる今回は、

関東からのアクセスのいい東信地域に絞り、

こもろ観光局との共同で開催しました。

参加者は、

県内をはじめ、東京や埼玉などからきた10人です。

フード&ワインジャーナリストの

鹿取みゆきさんを進行役に

ワインの造り手4人と語り合う

トークイベントが行われました。

4人は小諸・上田・坂城・立科と、

県内のそれぞれの場所で

新たにワイナリーを立ち上げています。

中には、東京に家族を残し、

1人でブドウ栽培と醸造に取り組む人もいて、

参加者は皆、

造り手たちのワインにかける熱い思いに

聞き入っていました。

また、それぞれのワイナリーで造られたシャルドネを飲み比べ、

標高差で変わる

酸味やまろやかさといった味の違いを楽しみました。

最後に、今後のワイン造りに向け、

造り手4人はそれぞれに抱える思いを話しました。

 

成澤さん

「料理を作るときと同じように、

例えば魚を刺身で食べるのか煮つけで食べるのかっていう

魚の状態を見極めてワインにしたい、調理したい。」

 

田口さん

「酵母の力とか他の微生物の働きによって

複雑さをもたせるようなワインを。

出汁のようなうまみがあるワインを目指していきたい。」

 

富岡さん

「ブドウの本来の力を引き出せるような醸造をしたいと思いますし、

標高の高い場所で酸が特徴的なので、

酸を活かせるような造りをしたいと思います。」

 

中村さん

「普段飲みできる、地酒じゃなくて地ワインみたいなものを造って、

毎日1日のことを振り返りながら

楽しい仲間と楽しいお酒を飲む。

その場に合うようなワインを造りたい。」

 

参加者 埼玉女性

「ワインは好きなのでちょっと興味があって、

あと食事も興味があって参加しました。

若い方が頑張っているんだなって感動しました。

やっぱり日本の生産頑張ってもらいたいですね。

広まってほしいです。」

 

参加者 佐久市男性

「ぜひいいワインを造っていただきたいと思います。

需要がそんなに伸びるんだろうかっていう心配もありますし、

地元の人口が増えているわけではないので。

中々生き残っていくのも大変じゃないのかなと。」

 

造り手の思いから、

長野県の食の魅力を感じることができた今回のツアー。

企画した県農政部では、

今後も県内のほかの地域でも

同様のツアーを実施したいとしています。