市内和田に工場を構える

精密加工会社「アステック長野」が、

巧みな加工技術を活用し、

富士山の形をした立体的なチョコレートを作りました。

自社商品で食品を手掛けるのは初めてだということです。

 

 

市内和田にある「アステック長野」。

 

主な事業は、

デジタルカメラやスマートフォン、機械のスイッチなど、

電子精密部品の加工です。

 

そんな「アステック長野」が

自社商品で初めて食品に着手しました。

 

 

それがこちらの「3D富士山チョコレート」です。

 

大きさは、たて・横10.5センチ。

高さは4センチです。

 

冠雪部分はカカオバターを使用しています。

国土地理院の測量データをもとに3Dデータを編集。

山肌や稜線を細かく再現しました。

リアリティのある模型のような仕上がりです。

 

 

伊藤拓社長は、電通グループの元社員です。

 

10年前に、父から「アステック長野」を受け継ぎました。

 

広告マンとして、

商品のプロモーションや

販促キャンペーンのプロデュースなどを

経験してきた伊藤社長。

これまでに培った企画力を武器に

会社を新たにプロデュースしていこうと、

精密加工の技術を活かした

自社商品を考案しました。

 

 

その第1弾が、6年前に製造した「こびとづかん消しゴム」です。

3DCGの技術から成形用金型を作り、

量産を可能にしました。

 

さらにおととしには、大河ドラマ「真田丸」にちなみ、

真田幸村のフィギュアを製造。

細部まで精巧に作られています。

 

 

これまで2つの自社商品を企画してきた伊藤社長。

しかし、流行によって

売り上げが左右されてしまうことが

問題だったと話します。

 

社長

「どうしても流行り廃りに左右されてしまうんで、そういう

ブレない、いつでも皆さんがよく知っている

そういうモチーフで何か消費財が作れないかなと思ったんですね。

消費財いくつかありますけど、そのうち、

食品、型を使った食品ということでチョコレート。

流行りに左右されないモチーフということで富士山、

ということでこの商品を企画しました。」

 

実際の製造現場をみせていただきました。

 

社長

「この機械はテンパリングマシーン、充填機、

そういう役割を担っているんですけど。

チョコレートの充填に適した温度っていうのがあるんですよ。

そういう温度管理をしながら充填していきます。」

 

 

テンパリングマシーンから出てきたチョコレートを、

3D技術で加工した専用の富士山型に流し込みます。

 

 

そのあとは、充填時にできた気泡を抜くため、振動を加え、

冷蔵庫で冷やし固めます。

しっかり富士山の形に冷やしかためれば、最後の行程。

冠雪部分をカカオバターの入ったスプレーガンで

コーティングしていきます。

 

社長

「スプレーするこの技術・マスク型を使う技術っていうのは、

元々フィギュアだとか、工業製品で多く使われていた技術なんですけど、

これまでやってきた技術を生かしたそういう技術になっています。」

 

社員:井出さん

「うちはいろんなことやっていますので、

その中の1つがチョコレートなので、

そういう形でうちの会社を知ってもらえることは

うれしいことだと思います。」

 

 

3D富士山チョコレートは、税別1,500円です。

県内では、

軽井沢プリンスショッピングプラザ内の土産店で

販売しています。

 

 

また、たて・よこ2.2センチ、高さ0.9センチの

ミニチョコレートも同時販売しています。

こちらは18個入りで税別1,000円です。

 

社長

「今まで精密部品を作ってきました。

それからホビー商材を作ってきました。で、今回チョコレート、

食品ということになって、

我々のノウハウが少しずつ広がっているなっていうのは

感じているところなので、知りえた情報をもとに、

また新しい市場を見つけていきたいと思っています。」