2012年から閉鎖されている、

旧寅さん会館と、旧寅さん会館地下のやすらぎ会館の管理運営者を選考会が

昨日20日に市役所で開かれ、 最優秀者が決定しました。

選考会では、 小諸市の政策会議メンバーなどが審査員を務め、

一団体15分のプレゼンテーションと、

45分の質疑応答の内容により、採点が行われました。

最優秀者に選ばれたのは、 コモロ寅さんプロジェクト 「いつもココロに寅さんを」―通称ココトラ―です。

ココトラを含め応募のあった2団体による審査となりましたが、

次点を大きく引き離し、 最優秀者に選ばれました。

平成7年6月に開館した「渥美清こもろ寅さん会館」は、

俳優の故・渥美清さんや山田洋次監督と30年以上に渡って 親交を深めてきた

故・井出勢可さんが中心になり、 松竹や市の協力を得て開設した記念館です。

館内には、小諸を舞台とした第40作の紹介や、

渥美さんが生前、 井出さんと交わした手紙の数々、寅さんの衣装、

それに渥美さんの国民栄誉章受章の盾など、

井出さんが、渥美さんや山田監督らから譲り受けた

映画の貴重な資料や写真などが展示されてきました。

ピーク時には年間およそ10万人が訪れていた来館者数も、

年間7000人ほどに減少。

平成24年10月に、館長を務めていた井出さんが死去して以降は、

事実上の閉館状態となり、平成25年、小諸市が、

会館建物と展示物の寄付を運営会社から受け入れ、

今後の利活用について、検討が進められてきました。

検討の結果、管理運営は外部に全て任せるとして、

建物と収蔵品は無償貸与とすることが決定。

選考会では、経営・運営という観点から 厳しく審査が行われました。

今回、管理運営者に決定したココトラは、閉館となった寅さん会館の存続を目指し、

映画「男はつらいよ」のロケ地にもなった 寅さんゆかりの地小諸を盛り上げようと、

様々な活動を行っている有志の団体です。

代表を務めているのは、

人力車観光ガイド「こもろ轟屋」で車夫を務めている、一井正樹さんです。

平成23年、会員わずか2人で活動を始め、

寅さん会館が閉館後は、署名活動を行うなど、 存続に向けて精力的な活動を展開してきました。

松竹などの協力も得て、 去年6月からは、毎月、「男はつらいよ」の フィルム上映会を開催。

毎回50人から100人近くの人が訪れるなどリピーターを増やしており、

4月からは東京からのバスツアーも始めました。

会員も25人となり、NPO法人格取得に向けて準備中です。

選考会では、 一階を誰でも気軽に入れる無料スペースにし、

物販やオープンカフェなどとして、 利用することなどを提案。

寅さん会館の収蔵品のみならず、 郷土の資料を展示するなど

展示品を随時入れ替える工夫なども提案しました。

地下のやすらぎ会館は、スクリーンやステージを活かした貸館スペースとして、

更なる充実を図る他、 小諸市唯一の映画館として、

「寅さん」以外の作品も含め、 古き良き映画を見られる 施設にしていきたいともしています。

また、松竹や東京柴又の寅さん会館とも連携し、

全国からの集客を図る仕組みづくりも 具体的に提案。

事業計画の一つとして、

これまでの実績と今後の見通しを踏まえた収支資金計画も細かく提示しました。

小諸市では、今後、 建物の老朽化した部分などの修繕をした上で、

今年度中には管理運営をお願いしていきたいとしています。