21日(土)、

県内の消防救助隊が集まって消防技術を競う

長野県消防救助技術大会が開かれました。

小諸消防署の救助隊は「障害突破」という種目に出場し、

去年、おととしに引き続いての3連覇を狙いました。

大会の会場となったのは篠ノ井にある県の消防学校です。

この日は、県内から消防救助隊が集まり、

陸上・水上あわせて11の種目で

県代表の座をかけて熱戦を繰り広げました。

小諸消防署の救助隊が出場するのは、

災害現場のあらゆる障害を想定し、

「乗り越える」「登る」「渡る」「降りる」「濃煙を通過する」という

動作を駆使して、

数々の障害を越えていく「障害突破」という種目です。

「救助の花形」とも呼ばれている競技で、

高い技術力と体力、精神力が必要になります。

小諸消防署の救助隊は、おととしこの競技で初優勝。

去年も連覇を果たし、今年は3連覇をかけて大会に臨みました。

小諸消防署の救助隊は、

毎年この時期にだけ結成されているチームです。

レスキュー専門の部隊がない小諸消防署では、

若手消防士の中から選抜して毎年隊員を選んでいます。

競技が始まるその時に万全な状態でいられるよう、

何度も何度も繰り返し練習を行って

隊員たちは身体をあたためていました。

去年大会を経験した隊員が多いせいか、

競技まであと数時間と迫っていても

隊員たちは落ち着いた様子。

それぞれが今やるべきことに目を向け、

最終確認を行っていました。

先輩たちの落ち着いた様子を見ているからか、

新入隊員もこの表情。

本番当日でもリラックスできているようです。

刻一刻と決戦の時が近づいてきます。

最後の最後まで入念に確認を行う隊員たち。

その表情は厳しくも有り、

自信に満ち溢れているようでもありました。

颯爽とした足取りで練習場を後にする隊員たち。

会場には多くの先輩や同僚たちも応援に駆け付けています。

いつも通り。普段の訓練通りやれば結果はついて来る。

これまで厳しい訓練を乗り越えてきた自信を胸に

隊員たちは決戦の舞台へと向かいます。

この日最後の種目、障害突破の選手たちが入場してきました。

一番手は諏訪広域消防本部。

競技が行われている間も隊員たちは

本番をイメージしながら身体を動かします。

そしていよいよ、小諸消防署救助隊の出番です。

競技で使う用具を、ひとつひとつ丁寧に配置していきます。

最後の最後まで、細かいところにまで注意を配り、

この時点で出来ることは 全てやりきりました。

そして―

4人がロープを渡り終えたこの時点ではいつも通り。

いいペースで来ています。

そして煙道へ―

最後はロープを素早くまとめて、ゴール!!

手元のストップウォッチでは、

先に行った諏訪広域消防本部よりも速いタイム。

この時点ではトップ。

隊長は安堵の表情です。

競技を終えて戻ってきた選手たちも

その手応えを感じているようでした。

残すは2チーム。

このチームの結果次第で勝負の行方が決まります。

手元のストップウォッチでは、小諸消防署の方が速いタイム。

これはいけるかも。期待が膨らみます。

そして残すはあと1チーム。

皆祈るような気持ちでその競技を見つめます。

全てのチームの競技が終わった時点で、手元のタイムでは1位。

隊員たちは勝利を確信していました。

迎えた結果発表。

その結果は―― まさかの2位。

タイムでは全てのチームにまさっていたものの、

痛恨の減点で、惜しくも優勝を逃しました。

予想外の結果に落ち込む隊員たち。

勝負の世界には何が起こるかわからない。

そう痛感した瞬間でした。

去年おととしと県大会を連覇し、

「3連覇、そして全国へ」を合言葉に訓練に励んできた

小諸消防署の救助隊。

あと一歩のところで優勝は逃してしまいましたが、

この大会に向けた努力の日々は、

今後の彼らの消防活動にもきっと活きてくることでしょう。

今回の大会での経験を糧に、

小諸消防署の救助隊は更に強いチームを目指して

これからも挑戦を続けます。