万一 災害が発生した時でも落ち着いて対応ができるよう、

災害時に起こり得るあらゆるケースを想定した小諸市の総合防災訓練が、25日(日)に行われました。

 

午前8時30分、市内で震度6の地震が発生したという想定で行われたこの日の防災訓練。

今年は川辺地区が訓練の対象となっており、第一避難場所とされている公民館には

区内放送を聞いた地域の人たちが続々と集まって来ました。

宮沢区の研修センターに避難してきた人たちは、集まるとすぐに点呼をとり、

避難・誘導、消火・防災、警備、そして救護など役割分担をしてから作業に取り掛かりました。

この総合防災訓練は、万一災害が発生した時にも迅速に対応できる体制を整え、

住民の防災意識の高揚をはかろうと、毎年、市内各地の持ち回りで行われているものです。

この日、消火・防災を担当した宮沢区の区民らは、地震による突発的な火災に備えて

バケツリレーを行ったり、消火器の使い方を改めて確認したりしていきました。

また、万一の浸水被害に備えて土嚢の製作も行われ、皆、熱心に袋に土を詰めていました。

一方、救護を担当した区民らは、怪我人が確認されるまでの間 炊き出しの準備を行い、

皆で協力しながら大量のおにぎりを作っていました。

市の災害対策本部への報告を済ませると、区民らは研修センターの中へ移動。

ここまでの訓練を振り返り、反省会が行われました。

区民からは、「浸水被害が想定される場所への土嚢の必要個数がわかった」などと

今回の訓練による収穫を示唆する報告があった一方、

「避難する際には、毛布を持ち寄ったら良いのではないか」

「懐中電灯や救護箱が必要ではないか」などと、改善点を指摘する意見も挙げられ、

実のある訓練となったようでした。

区内での訓練を終えると、今度は災害時に避難場所となる御牧ヶ原の長野県農業大学校の

体育館に場所を移し、避難所の開設訓練が行われました。

川辺地区の各区から区民が集まる中、はじめに、避難所でプライベートな空間を作るための

テントの設置訓練が行われました。

担当の職員らが手際よくテントを広げると、集まった人たちは、皆興味津々の様子で見入っていました。

また、会場の外では、災害用の大きな鍋を使って、炊き出しの準備が進められています。

準備ができたとの報告を受け、集まった人たちはさっそく移動。

一人一人炊き出しを受け取ると、その味を確かめるようにじっくりと味わっていました。

続いて、災害時の電源の確保として、LPガスを使った発電機の使用訓練も行われました。

一般的に 災害の規模が大きくなればなるほど停電の期間も長くなります。

訓練では、電球と発電機をつなぎ、正常に発光するかを確認していきました。

また、会場のあちらこちらで傷病者に対する救護訓練が行われた他、

この日は、怪我の度合いによって治療の優先順位が一目でわかる仕組みとして

トリアージの訓練も行われました。

傷病者の名前や怪我の度合いなどを確認したらタグに書き込み、

同席した医師が色分けを行いながら優先度を決めていきます。

こうしておくことで、混乱が予想される災害時でも、緊急を要する傷病者により早く手当が施せるなど、

効率よく医療行為を行えるようになります。

サイレンの音と共に、近隣地域の自治体や企業からの救援物資も到着。

食料品や飲料水などが、続々と体育館の中へと運ばれました。

その他、体育館の外では給水訓練も行われ、それぞれの区の代表者らが

専用の袋に水を入れていきました。

年に1度の総合防災訓練。

この日はこの他にも、陸上自衛隊による車両の展示や、消防団員によるグラウンドでの

放水訓練なども行われました。

主催した小諸市では、いつ起こるかわからない災害に備えて、

今後も実践を通した防災訓練を続けていきたいとしています。