9日(土)、ベルウィンこもろを会場に、

活火山浅間山への理解を深めるための「浅間山火山防災講演会」が開かれました。

 

この講演会は、活火山浅間山についての理解を深め、住民の地域防災に対する意識を高めていこうと、

小諸市の主催で毎年開かれているものです。

会場には、市民や消防団の関係者など、およそ200人が集まりました。

初めに講師を務めたのは、気象庁 浅間山火山防災連絡事務所で所長を務めている宮下誠さんです。

「最近の浅間山の状況について」と題して講壇に立った宮下さんは、

浅間山の噴火警戒レベルの推移についてなど、スライドで資料を提示しながら説明を行いました。

その中で宮下さんは、様々なデータをもとに分析してみても、

直近で浅間山が噴火する可能性は低いという結果が出ていると説明。

2010年4月15日に浅間山の噴火警戒レベルが2から1に引き下げられてから

現在までレベル1の状況が続いているのは、こうしたデータに裏打ちされているなどと話しました。

また、講演の最後には、小諸市の担当者から、昨年11月に融雪型火山泥流想定流域にあたる

市内18区の区民らを対象に行った浅間山火山防災に関する住民アンケートの結果についての

報告が行われました。

アンケートでは、融雪型火山泥流に対する意識や現状に対する知識、

ハザードマップに対する認知度と理解度、それに、避難についての意識や危険情報に対する内容の

理解度などがそれぞれ項目ごとに問われました。

そのうち、「浅間山融雪型火山泥流ハザードマップを見たことがあるか」という問いに対しては、

60.2パーセントが「見たことがある」と回答。

それに対し、39.4パーセントは「見たことがない」と答えています。

また、「2004年の噴火の際に浅間山防災マップを見たか」という問いに対しては、

「探したが見つからなかった」「思い浮かばなかった」という人が77パーセントと、

大多数を占めるという結果になりました。

小諸市では、これまで定期的に勉強会や住民説明会を開き、その都度 浅間山防災マップや

融雪型火山泥流ハザードマップを配って、住民への理解を呼びかけて来ました。

しかしこの結果を見るとまだまだ融雪型火山泥流に対する認知度は低く、

広報の必要があるなどと、市の担当者は話していました。

また、いくら防災の準備が整っていても、いざという時に動けなければ意味がないと話し、

行動を起こすことが何よりも大切だと参加者らに呼びかけていました。

参加した人たちにとっては、自分たちの生活に関わる重要な話題ということもあり、

皆真剣な表情で話に聞き入っていました。

この他、会場の一角にはこれまでの浅間山の噴火に関する資料などが展示され、

集まった人たちはじっくりと見入っていました。

なお、現在国では、浅間山の噴火に備えた減災対策についての事業が計画されています。

総事業費およそ250億円かけて行われる予定のこの事業では、小諸や御代田など、

融雪型火山泥流の被害想定区域とされている場所に砂防や観測機器などを設置する計画です。