2日(土)、小諸市日中友好協会が主催する講演会が、小諸グランドキャッスルホテルで開かれました。
この講演会は、これまで南京大学と提携して、3年に一度「藤村文学賞」の受賞式を現地で開くなど、
中国との文化交流を進めてきた小諸市日中友好協会が、さらに、中国についての理解を深め、
幅広い分野で交流をしていこうと開いたものです。
冒頭挨拶に立った、小諸市日中友好協会の佐々木治夫会長は、
「尖閣問題などで日中関係がギクシャクしているが、民間人としては、このままで良いのかと
疑問を抱えている。今日の講演が友好関係を築くヒントになれば」などと話していました。
この日講師を務めたのは、東京大学大学院 法学政治学研究科の教授で、
現代の中国政治や東アジアの国際政治に詳しい高原明生(たかはら・あきお)さんです。
高原さんは、「習近平政権と日中関係の将来」と題し、
現在日本と中国の間で抱えている問題やその解決策などについて話しました。
その中で高原さんは、昨年中国で発生した 日系のスーパーが襲撃されたり、
日本車が被害を受けたりした過激な反日デモについて触れ、
「様々な暴力行為が発生した中、日中の友好につながるような事象もあった」と
集まった人たちに紹介しました。
しかし、この反日デモのきっかけとなった尖閣諸島をめぐっては、
日本人と中国人とで大きな認識の違いがあると説明し、次のように話しました。
続けて高原さんは、中国では言論の自由がなく、正しい情報を得ることが難しいと話し、
「まずは国の事情から来る誤解を正すことが必要。今こそ国民同士の真の交流を」と
集まった人たちに呼びかけていました。
参加した人たちは 高原さんの話に熱心に耳を傾け、
日本と中国の違いなどについて知識を深めている様子でした。
小諸市日中友好協会では、今後もこうした講演会を開いたり、中国を訪れるなどして、
引き続き中国との交流をはかっていきたいとしています。