今年の夏、新潟県の十日町市と津南町(つなんまち)では、

「大地の芸術祭 越後妻有(えちごつまり)アートトリエンナーレ2012」という芸術祭が開かれました。

その芸術祭には、絵本作家の田島征三(たしま・せいぞう)さんと、

音楽家の松本雅隆(がりゅう)さんの大型作品「どうらくオルガンちちんぷいぷい」が出展されました。

その作品が、小諸市山浦にある喫茶店「茶房 読書の森」に移転することになり、

23日(日)には、作品の棟上げ(むねあげ)が行われました。

 

この日は、関係者や市民有志など、およそ20人が参加しました。

男性参加者らは、屋根部分の骨組みとなるおよそ4メートルの棟木(むなぎ)を協力して持ち上げては、

器用に組み立てていきました。

「大地の芸術祭」は、3年に1度、新潟県の越後妻有(えちごつまり)地域で開かれる国際芸術祭です。

地域の魅力をアートで表現するという新しい「地域再生」のモデルとして2000年に始まりました。

今年の芸術祭には、「ちからたろう」で有名な絵本作家の田島征三(たしま・せいぞう)さんと、

東京を拠点に活動している音楽グループ「ロバの音楽座」のリーダー松本雅隆(がりゅう)さんが、

大型作品「どうらくオルガンちちんぷいぷい」を出展しました。

この作品は、新潟県十日町市の「鉢(はち)」という集落で、

毎年小正月に行われる「道楽神(どうらくじん)さま」という伝統行事をモチーフにしたものです。

高さが4メートル以上ある小屋風のオブジェで、中にはオルガンの原理を使った音の仕掛けなどがあり、

楽器としても楽しめます。

芸術祭では、屋外に設置されていましたが、全体に竹や稲を使用していることから、

新潟の豪雪で壊れてしまうことが懸念されていました。

そんな時、作品の受け入れを申し出たのが、2人の作者と親交があった小諸市山浦にある喫茶店

「茶房 読書の森」のオーナー依田雄(ゆう)さん、恵(めぐみ)さん夫婦です。

移築決定後、関係者や有志が集まり「どうらくオルガン応援団」を結成。

先月下旬には、メンバーらが作品を解体し、読書の森まで運んできました。

棟上げ作業の合間には、温かなうどんやおにぎりが用意され、皆で暖をとりながら労を労っていました。

今後、引き続き作業を行い、来年5月初め頃に完成予定だということです。

移築が決定するまでに、作者である田島さんのもとには「作品を残してほしい」という声が

数多く寄せられたそうです。

 

依田さん夫婦を始め、有志の皆さんが完成を目指して引き続き作業を進めていきますが、

組み立てや管理には多くの皆さんの力が必要となります。

「どうらくオルガン」を応援し、活動に協力してくださる方は、

「茶房 読書の森」 担当 依田さん電話 25―6393 までご連絡をお願いします。