信州こども食堂INこもろの実行委員を務める、

市議会議員の小林重太郎さんが、

去年10月末に

自身初の著書「だから、こども食堂」を出版しました。

 

小林重太郎さん。現在60歳です。

妻と別れてからシングルファーザーとして15年。

2人の子どもを育てる中で、

子どものいじめや不登校、ひとり親としての孤立などを

味わった経験から、

子どもや親たちの「小さなつぶやき」に気づける場所として、

月に1度の「こども食堂」を立ち上げ、

活動を続けています。

 

今回は自身初の著書として、

これまでの一人親としての体験談とそこから感じた思い、

そしてこども食堂の役割に対する思いをまとめました。

 

「私自身シングルファーザーとして子どもたちを15年間育ててきました。

やはりそういう中でいじめも不登校もそれから

やっぱり一番恐ろしいのは孤立ですよね。

孤立ってことも本当に何度も味わいました。

一人親子育て、子育てすべてがそうだと思うんですけど、

あわやあわやの連続で本当に厳しい部分があったんですよね。

そういう中で今現在、多くの子どもたちが

貧困とか虐待とか多分普通にまちを歩いている限りじゃ全く気付かない

本当に深い状況が起こっているんですね。

ただ世間の風と言いますか、正論とか常識論とか

そういう同調軋轢という言い方するんですけど、

そういう中で、子どもたち、あるいはお母さんたちも

小さな声がかき消されるあるいは声を出さない、

もっと言うなら声を出せないそして出さない、

そういう状況がある中で、私は当事者です。

私は当時者として声を出さなきゃいけないんじゃないかと

決意をしたということが一つです。

もう一つはタイトルにあるようにこども食堂ですけど、

小諸のこども食堂は今非常に盛り上がっていまして、

おかげさまで非常に良い雰囲気です。

これ全国に自慢していい成功例だと思うんですよ。

ただ一方でそれとは別に全国でこども食堂が今ブームになっているんですけど、

やっぱり大人の自己満足の場、

本当に支援が必要な子どもたちに手が行き届いていない。

本当に支援が必要な子どもたちは置き去りということが

私は強く感じています。イベント型になりつつある。

食事とか学習とかもそれぞれ意味はありますが、

子どもたち、お母さんたち、小さなつぶやきに気づける場所、

小さなつぶやきに気づける感性を持った場所でありたい。

それが私が考えるこども食堂と単なるイベントとの違いですね。

だからあくまでそういうこども食堂が全国に増えていってほしい。

そういう思いで、そういうこども食堂を

全国に広げていきたいという思いで書きました。」

 

そうした思いで書いた自身初の著書は、

全国各地でこども食堂に取り組む人たちや、

福祉を学ぶ大学生、

それに近隣でこども食堂を開設したいと

考えている人たちなどから

大きな反響もあったそうです。

 

「自分自身をさらけ出したわけですよ。

ただはっきり言っていろんなシビアな体験の中で本に書けたことは一部です。

本に書けたことのはるかに広く深く厳しい部分は、確かにあります。

ただ、本に書けた部分であっても自分自身をさらけ出した訳ですよね。

それはやっぱり人が信用してくれているというんですか、

一つの信用に結び付いて、いろんな相談というか

声をかけてくれているなということがありますね。」

 

 

今回の著書の出版で小林さんが最も訴えたかったこと、

そして今後の活動についても伺いました。

 

「全国あるいは県内でいろいろな人の声を聞いてきました。

内側に入って聞いてきたつもりです。

そういった思いや感性を小諸の子どもたちのために

小諸の未来の子どもたちのために市民のために

凝縮させていきたいと思っています。

それは具体的に例えば、子ども支援の総合条例を小諸市として作る。

本当に子どもたちの意見を聞いて私が磨いてきた感性もそこに凝縮させて

本当に全国に誇り得る子どもたちの心に沁み込むような

深く刺さるような子ども応援の総合条例を作りたいという構想は持っています。」

 

「ぜひこの本を読んでいただいて、

参考にならないかもしれないけど参考にしていただきたいし

ぜひ小さなつぶやきを発信してほしいです。

私もこども食堂も小さいつぶやきに気づける場でありたいと思っています。」