小諸高原美術館・白鳥映雪館では、いま、

東信地区出身の画家、

桶田洋明さん、髙栁剛士さんの

二人展が開かれています。

初日となった先月28日には、

オープニングテープカットが行われました。

 

この企画展は、

上田市出身の画家、桶田洋明さんと、

佐久市出身の画家、髙栁剛士さんの

東信地区出身の二人によるものです。

 

オープニングセレモニーには、

桶田さんと髙栁さんをはじめ、

およそ30人が出席。

主催者を代表し、

山下千鶴子教育長が

あいさつに立ちました。

 

山下教育長あいさつ

「桶田先生は美術の教師として

軽井沢高等学校に初任でお勤めされました。

そして、この軽井沢高校で

桶田先生の後を受け継がれたのが、

髙栁剛士先生でありました。

出会うべきして出会っている。

そんな思いが強く私の胸に

よみがえってまいります。

それぞれが追及される絵の世界というのを

皆さんにも十分に

味わっていただける展示となっております。

素晴らしい作品と出会っていただけますし、

制作過程も見せて頂ける状況もございますので、

お楽しみにしてください。」

 

桶田さんと高栁さんの2人は

美術教諭として、

それぞれに活躍しています。

高校の美術教諭として出会い

これまで3回

二人展を開いてきました。

今回の展覧会は

24年ぶりとなります。

 

会場には、桶田さん、髙栁さんの好対照な

油彩画や水彩画、アクリル画など、

合わせて44点が展示されました。

 

そのうち、桶田さんの作品は、

女性像や動植物を構成して

「生命の儚さ・輪廻」を

テーマに描いています。

自身の病気の経験から

生命の大切さや尊さを実感し、

「生命の儚さ」や「輪廻」を

テーマにしたという桶田さん。

今回の作品では、

人物の表情に力を入れ、

儚さの中にも生きている前向きさを

表現したといいます。

 

桶田先生

「テーマ自体が、「生命の儚さ」とか「尊さ」

っていうのがありますので、

それを人物とか自然、動物とか

生物で表現をしています。

その際、人物が中心なんですけど、

人物も誕生して、

いずれはいなくなってしまう

っていうその儚い姿は、儚いんですけど、

それが自然の流れとして

繰り返して続いていくというものを中心に、

人物と生命で表現をしているということです。

色的にも、落ち着いた色を使いますので、

ちょっと儚いっていうのは

テーマ的には、

少し悲しい所がありますが、

そこは感じ取って頂いて、

自然の美しさですとか、

色のきれいさとか、

そういう所を見て頂いて、

心地よい気持ちになって頂ければ幸いです。

私は、技法的なことを

テーマにしていますので、

これからも色々な技法を研究して、

自分の作品に活かして、

さらに発展できればいいかな

という風に思っております。」

 

一方、高柳さんの作品は、

浅間山や田畑など、

作者の身の回りにある情景を

写実的なタッチで描いています。

 

中でも、こちらの「黒岡荘」という作品は、

1988年に制作されたもの。

髙栁さんが風景画を描く

きっかけとなった作品です。

絵のモデルになっているのは、

髙栁さんが実際に住んでいたアパート。

初めて自分からこの風景を描きたいと思ったのが

この作品でした。

「自分がいいと思った何気ない風景を描く」という

髙栁さんの作品のテーマにもつながったと言います。

 

髙栁先生

「誰もが懐かしさを感じる風景

っていうのを描いていて、

この風景行ったことないけど、

なんか懐かしいよね

っていうような感覚を

持ってもらえたらいいな

っていうのが一番ですかね。

あとは、身の回りっていう所に

こだわっているので、

人物画っていうのも

何点か出していて、

家族であったりとかもありますが、

身の回りにもこんなにいいもの、

美しい物があるんだよっていうのを

テーマにしたところを見て頂ければ嬉しいです。

技術一つとっても、

まだまだ自分が表現したいもの、

美しいと思っているものを

人に伝えるっていうのに、

まだまだレベルが達していない

っていう所もありますので、

ものすごい素晴らしい展覧会を

開いていただいたっていうことを

励みにして、さらに精進して、

技術、感性を高めていきたいな

という風に思っています。」

 

二人の画家の、方向性や

生き方を垣間見ることができる、

「桶田洋明・高柳剛士

二人展-人物と風景の共鳴-」は

7月11日(木)まで開かれています。