皆さんは「聞き書き」という言葉をご存じでしょうか。

語り手の人生や思いを、

話し言葉の形で記録し残して行く活動のことを言います。

27日(日)、ステラホールでは、

この「聞き書き」について多くの人に知ってもらおうと、

「聞き書きサミットinこもろ」と題したイベントが開かれました。

 

このイベントは、一昨年6月に発足したボランティアグループ

「聞き書き隊こもろ」の主催で、県下初の試みとして開かれたものです。

会場には市民などおよそ100人が集まりました。

「聞き書き」とは、語り手の人生や思いを、話し言葉の形で文章に残し、

後世に伝えて行く活動です。

「聞き書き隊こもろ」では、活動初年度となった去年、

「信州の漬物」をテーマに、市民からの話をまとめて

創刊号として発行。

そして活動3年目となったことしは、

戦後70年の節目に合わせて、

戦争の現実を若者に知ってもらいたいとの想いで、

8人の戦争体験者の声を聞き、1冊の本にまとめました。

 

サミットでは第1部として、

千葉市と東京大田区など各地で、

「聞き書きボランティア」に取り組む団体の関係者らが集まり、

パネルディスカッションが行われました。

その中で、「聞き書き隊こもろ」代表の田中たま子さんは、

戦争体験者の声を、聞き書きでまとめた活動を振り返り、

「私たちが伝えていかなければならないと強く思った。」などと話しました。

また、ファシリテーターを務めた、

ちば聞き書き隊主宰の野口いずみさんは、

「聞き書きの一番の魅力は、いろんな人の人生の話を直接聞けることに尽きる。

ぜひみなさんもやってみて欲しい」などと呼びかけていました。

 

パネルディスカッションに続く第2部では、

「今だから伝えたい8人の記憶」として、

CTKの後藤理恵キャスターが、

「聞き書き隊こもろ」がまとめた冊子「語り継ぐ想い」から、

戦争体験者の声を朗読で紹介した他、

冊子に登場する女性2人が

満州からの引き揚げ体験などを語りました。

 

第3部では、長野市出身のシンガーソングライター、

清水まなぶさんによるトーク&ライブも行われました。

清水さんは、県内各地を回って戦争体験の聞き取りを行い、

体験をもとにした話や歌で、夢や命の大切さを伝える

「回想プロジェクト」に取り組んでいます。

目標としていた県内全77市町村を

回り終えたという清水さんは、

「今ある幸せは当たり前じゃないということを過去から学ばなくてはならない。」

「夢さえ見ることができない時代があったことを

私たちは次の世代に繋ぐ使命がある。」などと話しました。

ステージでは、自身の祖父の戦争体験をもとに作った曲「回想」なども披露。

訪れた人たちは、その歌詞の重みをかみしめながら、

清水さんの歌声に聴き入っていました。