小諸城址懐古園などで

人力車の運行を行う「きらく屋」に、

この秋、女性車夫が

誕生しました。

現在開催中の

紅葉まつりにあわせて、

観光客を乗せて

人力車を走らせています。

 

女性車夫として

活動を始めたのは、

新衣梨花さんです。

広島県広島市出身で

現在20歳。

大学を休学して

長野市の親戚の家に下宿中です。

以前から興味があったという

「人力車」の車夫に自ら志願。

アルバイトとして

働くことになりました。

 

新さん

「もともと興味があったのは

あったんですけれども、

自分なりに調べて

本を読んだことがありまして、

それをきっかけで

やってみたいという思いが

具体化して、

ご縁がご縁重なって

こういった形になりました。

人力車のですね、

独特な空間という部分に

惹かれました。

というのも、

スピードとしては

車より遅くて、

でも歩くよりも早くて、

かつ車夫さんとの距離も、

見知らぬ人と30分という

なかなかない密接な距離、

そして目線、

そして通り抜ける風。

これって今スピード社会で

失われているものが

ぎゅっと詰まった

必要な空間なんじゃないか

と思ってそこが

一押しポイントですね。

一言で言うと

快感でしかなくて、

笑太さんの、

今まで積み重ねて来られた

スキルもそうですし、

懐古園という場所も、

人力車という乗り物自体も

全てが魅力的に映って、

本当にリラックスして、

私も引きたいなと思えるような、

ファンになりました。」

 

人力車を引くにあたって、

7月から

きらく屋を運営する

喜楽屋笑太さんに弟子入りした新さん。

人力車の引き方や

懐古園の歴史などを

およそ1か月半に渡り学び、

9月半ばには、

人を乗せて

人力車を

引けるようにまでなった

と言います。

 

新さん

「大変でしたね。

そもそも力が足りていないので、

そこを強化する

ということは当たり前のこと、

それプラス

全く知らない土地のことも

知ることが大事ですし、

今懐古園にいらっしゃる方々との

人間関係の構築であったり、

考えることやるべきこと

たくさんあったんですけど、

どれもこれも充実していて、

感謝の気持ちでいっぱいです。

ほめて伸ばす

じゃないですけれども、

こちらが引けるくらい

応援してくださって、

自宅でできる筋トレメニューですとか

毎日1問懐古園クイズでしたりとか

今懐古園でおすすめの場所とか、

おすすめのお店とかあれば

連れて行ってくださったりとか、

本当に密接に

コミュニケーションとってくださって、

本当にびっくりしちゃいます。

ありがたいです。」

自ら飛び込んできた

新さんの熱意に打たれたと話す

師匠の喜楽屋さん。

その成長ぶりを

頼もしく感じているようです。

 

喜楽屋さん

「14年やってきて

初めてのことだったので、

めっちゃうれしかったです。

浅草とかね京都であれば

平らなところなので

女性車夫いるんですけど、

小諸は男でも嫌がる坂ですから、

そこによく女性が

飛び込んできたな

とは思いました。

やっぱりやる気があったんで、

スポンジが水を吸収するように

どんどんどんどん

知識も体力もつけていって

会わない間に

すごく吸収して次会ったときには

前できなかったことが

できるようになり、

そんな成長ぶりでしたね。

練習中からお客さんに声をかけて

「いらっしゃいませ」とか

「ゆっくり楽しんでいってくださいね。」

とか

声掛け普通できないですよ、

最初から。

それが自然にできていたので、

あとは知識と体力身に付ければ

最初からできるなとは思っていました。」

 

10月19日(土)から始まった

懐古園紅葉まつり。

新さんは、

すでに観光客らを乗せて

懐古園を案内しています。

愛称は名字の新からとって

「シンシン」。

乗客にも

「シンシン」と呼ばれて

親しまれています。

 

ところどころで

懐古園に関するガイドを交えながら、

乗客を案内する新さん。

この日はCTKの社員も

乗せてもらいましたが、

新さんの安定感のある運行と、

明るく元気で楽しいガイドに

時間を忘れて

人力車の乗車を楽しんだようです。

 

CTKの社員

「女性の方なんですけれども

力強く引いてくださって、

さらにガイドまでしてくださって

こんなにこやかにガイドしてくださって

とっても楽しかったです。」

 

車夫デビューを果たし、

新さんは改めて、

「人力車の車夫」という

仕事の魅力を

肌で感じているようです。

 

新さん

「難しいところが

いっぱいですね。

でも一番最初に来るのが、

お客様を乗せられていることの

喜びですね、

ずっと憧れていた

というのもありますし、

人力車に乗るということを

選択するということは、

みなさんが、

そういうことを

なさるわけではないので、

特別の思いがあって

ということになります。

それを乗せて走る。

それだけでうれしいです。

自分の言葉で

懐古園の魅力を

伝えられる車夫に

なりたいですね。

まだまだ借り物の言葉でしか

お伝えできていないんですけれども、

初めていらっしゃった方もそうですし、

地元の方もそうですし、

私は外から来た人間なので

そういった視点も生かして

魅力も伝えていけたらと思っています。」

 

そんな新さんの活躍に

喜楽屋さんも大きな期待を寄せます。

 

喜楽屋さん

「この坂の多い小諸、

男でも嫌がるまちなんですけれども、

ここで女性が引ける

ということが

一つの新しい道しるべに

なったんじゃないかなと思うので、

ぜひちょっとおれは

無理かなとか

私無理かなと思う人でも

これを機に

どんどん人力車、

車夫に志願してきてほしいな

と思いますね。

その先駆者、女性の。

(なってくれそうですね。)

そうなってくれると

いいと思います。」

 

新さんは

来月17日まで開催している

「紅葉まつり」期間中、

週3,4回

懐古園で人力車を引く予定。

新さんが引く人力車は

ガイド付きの

30分コースで

一人当たり3千円。

大人2人まで乗車可能です。

 

新さんと喜楽屋さん

「人力車きらく屋

来たる懐古園の秋を

精一杯お届けいたします。

それではみなさん

お待ちしています。」