市内氷区に残る天然の冷蔵庫、
「風穴」。
地域の歴史財産である
「風穴」について学ぶ講演会が
8月25日(日)、
安藤百福センターで開かれました。
この講演会は
氷区民有志などでつくる
「氷風穴の里保存会」が
企画したものです。
「氷風穴の里保存会」では、
風穴に関する知識や
関心を広げるため、
定期的に学習の機会としての
講演会を開いています。
この日は、市内外から
およそ40人が参加しました。
講師を務めたのは、
駒ヶ根シルクミュージアム館長兼、
九州大学名誉教授の伴野豊さん。
題目は、
「風穴と共に小諸に残したい
養蚕のある暮らし」です。
講演の最初は、
蚕のルーツについて解説。
伴野さんは世界各国の
繭の見本を会場に持ち込み、
参加者に近くで現物を見せながら
説明しました。
講演のメインとなったのは、
「家庭でのお手軽養蚕の試み」。
長野県は昭和10年代まで、
自宅で蚕を育て、
自家用に作った織物
「うちおり」を使う暮らしがありました。
風穴で蚕種を保存し、
家庭で蚕を育てて生まれる絹は、
地産地消の生産品として、
SDGsが叫ばれる現代においても
大変価値があると言えます。
大学での研究に加えて、
自宅での簡単な養蚕にも
取り組んでいる伴野さん。
講演では、1反分の養蚕に
必要な蚕の数や飼育環境、
自作の手軽養蚕道具などを紹介しました。
さらに、伴野さんから
氷風穴で本格的な
蚕種保存の復活を目指す
プロジェクトの発表も。
今後養蚕に関する
多くの研究者が氷風穴に集い、
氷風穴の活用方法の研究や
発信が進むことが
期待されます。