ことしで29回目となる「小諸・藤村文学賞」の表彰式が

藤村忌前日の21日(日)に、

ステラホールで行われました。

 

「小諸・藤村文学賞」は、

小諸ゆかりの文豪、島崎藤村の生誕120年、

没後50年の年である平成4年に

創設されたものです。

 

募集対象はエッセイ。

29回目の開催となることしは、

国内外から2460作品が寄せられました。

 

4年ぶりの対面開催となったこの日の表彰式には、

入賞者27人のうち20人が全国各地から出席。

小泉市長から賞状を受け取りました。

 

一般の部、最優秀賞に選ばれたのは、

  千葉県在住の高須健之さんの作品

「モサ、タケ、ミーちゃん、有難う」です。

 

この作品は

元工場経営者の男性が飼っている猫と

日常での交流を描いた作品です。

 

選考委員の太田子さんは

「生きとし生ける者への愛が溢れ、老いを感じさせない

明るさと幸せな気持ちを与えてくれる作品」と

評価しました。

 

その他、高校生の部、中学生の部の入賞作品も発表。

中学生の部では、

応募当時佐久穂町立佐久穂中学校3年だった

西部董弥さんの作品、「物づくりの動機」が選ばれ、

県内から5年ぶりの最優秀賞となりました。

 

この作品は、進路に悩んでいた時、父親から

祖父母が営むブルーベリー畑の稼業を継ぐことを提案され、

収穫作業を手伝い、仕事の大変さを知った西部さんの

実体験に基づいたものです。

 

選考委員の新井正彦さんは

「やった人にしか分からない仕事の辛さを

わかりやすく丁寧に描写し、

前向きな未来を想像させる作品」と評価しました。

 

西部さん

「これは夏休みの宿題で書いたもので、

素直な気持ちを書ければいいなと思って

書いたんですけど、

1年ぐらいもう経ってて、

最初聞いたときはとてもびっくりしたし

何のことだかわかんなかったんですけど、

後から嬉しさがこみ上げてきて

この賞状をもらったときが一番嬉しかったです。」

 

また、2回目となる

小諸市民や小諸に通学する学生に贈られる

小諸市長賞・教育長賞では、

一般の部、高校生の部、中学生の部から、

あわせて3人が入賞しました。

 

小諸市長賞には

市川卓郎さんの作品、

「おたうえラーメン」が選ばれています。

教育長賞の高校生部門では、

応募当時小諸商業高等学校3年だった

甲田花暖さんの作品、「母の強さ」、

中学生部門では、

応募当時芦原中学校3年だった

勝海さんの作品、「母と毎日の三食のご飯」

が選ばれました。

 

市川さん

「この文学賞に私は応募して6年目なんですけど、

毎年自分の過去の体験とか身近に起きたこととかを

ちょっと思い起こしながら

面白可笑しくというかね、

いきいきと書くことを心掛けてやってきました。

本選を目指して頑張ってやってきたんですけど、

まず輝かしい市長賞というものを

最初にもらうことができて、

これをまたステップにしてね、

もっと上に目指して頑張っていきたいと思います。

またこれからもね、いいテーマを見つけて

どんどんいい作品を書けるように

頑張っていきたいと思います。」

 

甲田さん

「学校の授業で書いたものなんですけど、

ちゃんとお母さんのことについて、

お母さんのことをちゃんと見て

良く書けたかなと思って、

賞が獲れて嬉しかったです。」

 

桒原さん

「自分は中学2年生のときから

この藤村文学賞に応募していて、

そのときは選考までいったんですけど

受賞することはできなくて、

最後中学3年生の年でもう1回応募して。

きっかけは夏休みの課題だったんですけど、

そこで出して今回みたいに入賞できて、

2回目に入賞することができて良かったなぁと思っています。」

 

全体講評に立った選考委員長の江尻潔さんは

「コロナから戻った日常を綴ることで、

当たり前に思っていた日常の尊さを

メッセージとして訴える作品が多かった」

と語りました。

 

入賞者24人の作品をまとめた作品集は

小諸図書館をはじめ、

全国の図書館などに配布されます。

市長賞・教育長賞に選ばれた作品と

受賞候補になった作品は、

作品集「高原の町のスケッチ」にまとめ、

表彰式後に市立小諸図書館に展示するということです。