市の教育委員会による

国史跡の「寺の浦石器時代住居跡」の

発掘調査成果報告会が

先月27日(土)にステラホールで開かれました。

 

会場には、市内外から、およそ40人が集まりました。

市内井子にある寺ノ浦石器時代住居跡は、

今から4000年程前、

縄文時代の集落の跡といわれています。

昭和5年に一部分が調査され、

昭和8年には国の史跡に指定されました。

 

小諸市教育委員会は、平成26年から平成30年の間に

寺ノ浦石器時代住居跡の発掘調査を実施。

今回の報告会は、

その成果を市民に広く知ってもらうために

企画されたものです。

 

説明を行ったのは、

教育委員会 文化財・生涯学習課の学芸員で

発掘調査を担当している

髙橋陽一さんです。

 

髙橋さんは、これまでの調査を振り返りつつ、

調査結果から導き出された

寺ノ浦史跡の本質的価値について説明しました。

 

「中期後葉に集落を築き始めてからしばらくして、

敷石住居を作り始めている。

この敷石住居の存在が寺ノ浦の特徴であり

評価されている部分。

実は正体のわからない敷石住居を解明する

重要な遺跡になってくるかもしれないということで、

今後も研究に期待したいと思います。」

 

また、報告会の後、

発掘された縄文土器や石器の自由見学も行われました。

 

多くの来場者が、出土物を手に取って会話をしたり、

髙橋さんに熱心に質問したりしていました。

間近で模様を確認し、手触りや重さを体感できる

貴重な機会となったようです。

 

来場者

「今回このイベントを知ったきっかけを教えてください」

今日ご紹介いただいた寺ノ浦遺跡の発掘指導者である

柳沢平助が私のひいおじいさんにあたるんですけれども、

それで私の父が調査発表会なども

いろいろ資料の提供などをしていたことから知りました。

非常に歴史的に見ても貴重なものだと思うんですけれども、

そういったことが地元の

小諸市民にほとんど知られていないというのが

すごく私としても残念な思いでおりましたので、

こういった機会に知ってもらうというのは

すごくいいなと思いました。」

 

「存在すら忘れ去られかけていた史跡を

もう一度日の目に」との思いから

行われている発掘調査。

市は今後、積極的に広報を展開し、

史跡保護の重要性を訴えて

次世代につなぐ仕組みを考えていくとのことです。