心臓の難病「拘束型心筋症」を患う

佐久市の小学5年生 中澤維斗くん。

アメリカの病院でドナーが見つかり、

先月27日、心臓移植手術を受けました。

手術を乗り越えた維斗くんは、

今月16日に無事退院したということです。

 

手術の成功を受け、父 智春さんは

寄付協力の感謝を伝えるため、

自身が経営する飲食店で、ある事業を始めました。

 

維斗くんが患っている「拘束型心筋症」は

50万人に1人の難病。

心臓が硬くなって動きが悪くなり、

進行すると移植以外に生存が難しい病気です。

 

維斗くんは生まれて間もなく、

心臓の弁の開きが悪いことで血液が十分に流れない

大動脈狭窄症の診断を受け、

5歳で人工弁に換える手術を受けました。

 

しかしその後、心不全が悪化し、

「拘束型心筋症」の診断が下されます。

国内では心臓移植が難しく、

維斗くんの両親はアメリカでの移植を決意―。

 

維斗くんは、

小諸や佐久をはじめ県内を中心に

全国から集まった募金でアメリカに渡り、

心臓の提供者が見つかるのを待っていました。

そして先月、ドナーが見つかり、

およそ11時間におよぶ移植手術を受けます。

 

手術は無事に成功。

今月16日に退院となりました。

手術の成功を受け、維斗くんの父 智春さんはこう話します。

 

中澤さん

「8か月、妻と維斗の方はアメリカで待ったんですけど、

やっと移植までたどり着いたっていうのは、

本当に皆さんも期待して。まだかまだかって待ってくれた方も多かったので、

やっとそういう報告ができてよかったと思います。

ドナーさんの心臓の方が、本当に調子が良くて、

機械をつけていたおかげで、

肺高血圧というところも心臓と肺のバランスが取れて、

もう1週間で集中治療室から一般病棟に出られて、

多分今週中に退院できると思います。

集中治療室から出て、すぐにテレビ電話、スカイプを使って、話しました。

痛いとか、怖かったとか、言っていましたが、

それでも無事に手術できたねって。喜んでいました。」

 

また智春さんは、募金活動への感謝の思いをこう話します。

 

中澤さん

「小諸市民の皆様。長野県全体でも活動させて頂いて、

市長にも直接お会いして、募金活動の協力をいただいて、

本当に小諸市民の皆さまの協力っていうのはものすごく。

私も隣の市にはいるんですけど、ひしひしと感じておりました。

本当に、温かいお言葉もかけていただきましたし、

お店の方にも来ていただいた方も多くいますので、

本当に感謝しております。」

 

「募金活動に尽力してくださった

地域の人たちへ恩返しがしたい」。

そんな思いで始めたのが、キッチンカー「サスケ」。

自身が経営するラーメン店、

「中華麺 維心颯漣(いっしそうれん)」で

新たに始めた事業です。

 

中澤さん

「もともと飲食店をやっていますので、

自分にしかできない恩返しの仕方っていうのが、

何かできないかと思って、隣にナパキッチンさんもいるんですけど、

ナパキッチンさんも実際に私がお店の前で、

出店していただいて、売り上げを募金に回していただいたりだとか、

そういう活動を私も目の前で、見させていただいて。

本当に自分にできることってこういうことかなっていうヒントを頂いて。

それでこうキッチンカーを誰か譲ってくれる人いないかなっていうので、

探していましたら、ちょうどタイミングよく、キッチンカーをやらない?

っていうことで譲り受けて、時間はかかったんですけど、

これで長野県内を渡って、お礼の旅っていうかね、

お礼回りができるなっていうところまでこぎつけました。」

 

提供メニューは、カレー、チャーハン、麻婆豆腐で、

中澤さんの得意料理。

これらは、息子 維斗くんの大好物で、

子どもから大人まで幅広い世代が楽しめるよう

辛すぎない味付けで工夫しているといいます。

 

「KOMORO FOODSTAGE」へ初出店となった今月9日。

この日は大勢の人が訪れ、

中澤さんの丹精込めた料理を買い求めていました。

 

中澤さん

「きょうも来ていただいたんですけど、

移植できてよかったねっていう温かい言葉をかけていただいて、

途中本当に涙出そうなくらい、ありがたいなと思って。

逆に自分がお礼に行ってるんですけど、逆にこう元気づけられてるっていう。

今後も頑張ってねっていう感じで。

そういうお言葉かけられると本当嬉しいです。

(応援しています、ありがとうございます)

ありがとうございます。」