佐久市や小諸市などの地域住民が主役となる
「こころのミュージカル」。
14回目となる今回は、
シェークスピア原作の喜劇「夏の夜の夢」を題材に、
「佐久の夜の夢」と題したミュージカルが、
今月12日と13日の2日間に渡って
佐久市コスモホールを会場に開かれます。
「こころのミュージカル」は、
平成21年から、佐久市の市民有志による
製作委員会が中心になって行っているものです。
演出家や劇作家として長年に渡り活躍してきた
奥村達夫さんが総合演出を手掛けています。
今回はシェークスピアの喜劇「夏の夜の夢」を原作に、
「佐久の夜の夢」と題したミュージカルを開催することに。
オーディションで選ばれた
佐久市や小諸市の市民を始め、
合唱団やオペラの舞台で活躍する人たち。
それに、小諸市の土屋芳美ジャズダンス教室を始め、
県内を中心に活躍するダンスチームなどが
出演します。
どんな舞台となるのか、
総合演出を手掛ける奥村達夫さんにお話を伺いました。
「実は「夏の夜の夢」というシェークスピアの作品は
市民劇で前から取り上げてみたい作品の一つだったんですね。
お話もよくできていますし、
人間観察力というのは非常にシェイクスピアは長けていましたんでね。
そういった意味では、ぜひこれを芝居としてみなさんに提供したい。
ご覧いただきたいと思っていたんですけど、
たまたまたこの「夏の夜の夢」については、
いわゆるちょうどロンドンで初演をされた時、
シェイクスピア30歳と言われているんですけど、
ちょうど1591年から94年まで、
今から約430年ほど前なんですけど、
ちょうどいわゆる黒死病―センペストが流行って、パンデミックだったと。
ということでシェイクスピアの仲間の芸術家とか
たくさんのアーティストが劇場が閉鎖になって
仕事をなくしたりとか病気で亡くなったりとか
そういうことがあったんですね。
そういう中で要するにシェイクスピア自身が
この暗い世の中にみんなを明るくするようなことはできないだろうか
ということで書いて上演したのが
この「夏の夜の夢」だったんですね。
ちょうど日本も世界も3年間コロナに苦しめられてきたじゃないですか。
ちょうど時期もそういった意味では430年後なんだけれども、
「夏の夜の夢」の芝居を観て頂くことで
暗い世の中を吹き飛ばして、
明るくて楽しくてそれでいて
夢のあるロマンチックな喜劇を
みなさんにお届けしたいなと制作に至ったという次第でございます。
お話はもう本当に原作をわりとそのまま持ち込んできていますので、
王様と女王様が夫婦喧嘩をしていると。
きょうは夏至の夜だと。夏至の夜というのは
お互いに自分の思いを好きな人に告白してよいんだよと、
いうようなことで森の中にたくさんのカップルがいるんですね。
その中の2組のカップルに
たまたま魔法をかけることによって思う相手が入れ替わってしまったりと
とんでもないことになってしまうんですね。
で、その仕掛人というのが
ロビングッドフェロー、妖精のパックという役どころなんですけど、
たまたまそれを今回、
小諸の合唱などで出ていらっしゃる横山弘さんがやられるんですけど、
そういうことで、最終的に堂々巡りで
好きな相手が変わっていったりいろいろあるんですけど、
王様と女王様も仲違いがとけて夫婦喧嘩も終わり、
カップルも見事ちゃんとしたカップルにおさまって
ハッピーエンドということで、終わる物語と。
なかなか見ごたえたっぷりの作品になっております。
オーディションで来られた出演者以外に
今回はダンスをやっていらっしゃる方にも
大挙して出て頂くということで、
コンテンポラリーダンス、クラシックバレエ、フラメンコ、
それから小諸からは土屋芳美ジャズダンス教室の皆様にも
ご出演頂いたりとか、
長野市からジャズモダンのダンスをやっていらっしゃる方とか
佐久の中で活動されている白樺舞踊団の方とか
総勢にすると40名以上の方たちに
いろいろなダンスで登場いただく形になっていますね。
(横山さんのお話もありましたけど声楽やオペラの専門の方も出られるんですよね。)
今回は地元の歌姫として活躍されている竹花摩耶さんだとか、
小諸高校音楽科の有志の方たちにも
今回ご出演いただくということで、
歌の方もしっかりと下支えしていただく形になっています。
きっと楽しんでいると思いますよ。
やっぱり実際に自分たちが表現したり演技したりしている姿を見ていると
やる気になっているのか、
なんとなくやらされている感いっぱいかというのはわかるので、
今回はやる気になって一生懸命自分たちで上を目指そう
というのが伝わってきている分だけ楽しいんじゃないのかなと思いますよね。」
市民参加型のミュージカルとして、
14年間に渡り市民とともに舞台を作り上げてきた奥村さん。
今回は初めて、ピアノやパーカッション、エレクトーンを交えた
生演奏での舞台に挑戦します。
「やっぱり生演奏でできるミュージカルを作っていくって本当に大変なんですね。
そのために踊りであったり歌であったり、お芝居であったり、
ちょっとずつ鍛えながらそれでやってきて
14年かかってやっとの思いで生演奏で。
生演奏になるとテープと違って
歌を重ねて入れたり録音したりということが出来ないんですよね。
そこで出る音に合わせなくちゃいけないという。
そうなってくると歌えないということではだめなので歌えないといけない。
音楽というのはある一定のテンポというのがあるんですけど、
生でやれば速くなったり遅くなったり、
人の気持ちって変わっていくじゃないですか。
安定してお客様に届けるためには
音楽と歌がうまく調整されていかなければならない。
それになじむのに時間がかかってくる。
生演奏のミュージカルというのは仕上げていくのに時間がかかるので
それをこなすために相当の時間をかけてそこまでたどりついてきた。
みたいなそんな感じですかね。」
「笑劇ミュージカル 佐久の夜の夢」は
今月12日(土)と13日(日)の2日間、
佐久市コスモホールを会場に、
全3回公演で行われます。
「小諸の皆様こんにちは。
いつも公演を応援してくださってありがとうございます。
とにかく皆様にとってもこれからにとっても
何か元気になるような舞台をお届けできるかと思っております。
どうか公演、楽しみにしていただいて
多くの皆様にお越しいただければと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。」
笑劇ミュージカル「佐久の夜の夢」。
公演日時は今月12日(土)と13日(日)の全3回公演です。
入場料は全席自由で前売り券が2000円。
当日券は2500円。
チケットは、佐久市コスモホールの他、
小諸市内では加増の土屋芳美ジャズダンス教室と
御影のゆみ歯科医院でもお買い求めいただけます。
また電子チケットでも販売中です。