「逆参勤交代」。

地方での期間限定型リモートワークを通じて、

働き方改革と地方創生の同時実現を目指す構想で、

ビジネスパーソンを対象とした学びの場である

「丸の内プラチナ大学」が

各地をフィールドワークに進めている取り組みです。

今年度は小諸市で、「信州版逆参勤交代」の名のもとに、

地域の活性化策を探るフィールドワークが開催され、

10月24日(日)には、参加者によるプレゼンが行われました。

 

この日は、小諸市内で

フィールドワークを実施した参加者らが、

小諸市の活性化プランを考え、

小泉市長にプレゼンを行いました。

 

今回小諸市で行われた、「信州版逆参勤交代」。

提唱者で、三菱総合研究所主席研究員の

松田智生さんが副学長を務める、

「丸の内プラチナ大学」が進めているプロジェクトで、

地方での期間限定型リモートワークを通じて、

働き方改革と地方創生の同時実現を目指す取り組みです。

 

松田さんは、

東京から地方に人の流れを創ることによって、

地方にはオフィスや住宅、ITなどのインフラが整備され、

関係人口の増加につながると提唱。

 

日本全国の地域が抱える課題や潜在的価値を

都市のビジネスパーソンが地方と共に考え、

地域の発展や新たな魅力づくりを目指そうと

2017年から北海道から九州まで6か所で

プロジェクトが進められてきました。

 

松田さん

「江戸の参勤交代は地方から江戸への

人の流れだったんですけれども、

これを逆にやることによって首都圏の人々が

地域に期間限定型で滞在するということ。

制度をもって人を動かすというのが、

逆参勤交代というアイデアです。

まさに、北国街道、加賀の前田藩が泊まった、

参勤交代の歴史を持つところ。

東京から来た人間にすると、

あの北国街道を通るとグッとくるものがあるわけですね。

そういった歴史的背景があるところにこそ

人々は関心を持つ、

モチベーションが高まるということだと思います。」

 

小諸市では、先月22日と23日の2日間、

東京大手町や丸の内などのビジネスマン、

それに大学院生らとスタッフら16人が、

フィールドワークを実施。

小諸市から、「経済の担い手の誘致」

「ワインによるまちづくり」を課題として提示し、

それを受け、参加者らは、

市街地周辺のコンパクトシティの取り組みや、

北国街道周辺の視察、

それにワイン用ぶどうの収穫体験などを行いました。

 

プレゼンでは12人が、

実現するためには自分が何をするかなど、

自らが主体となって考えた実行プランを発表していきました。

 

自らが勤める会社のプロジェクトリーダー兼

小諸の観光大使として、

都内の子育て世代を取りこむ

体験型のコンテンツを提供したい。といった具体的な提案も。

 

また、大学や大学院に通う学生たちも、

フィールドワークを通じて感じた小諸の課題や

学生ならではの視点を盛り込んだ発表を行っていました。

 

多岐に渡る内容で

小諸の課題と解決策を提案する参加者たち。

プレゼンを受けた小泉市長は、

「小諸が日々抱えている課題を提案いただいた。」とし、

今後の展開にも期待を寄せました。

 

丸の内プラチナ大学では、

今後、来年度以降、

更に小諸でのフィールドワークを発展させ、

この日の提案を今後につなげていきたいとしています。

 

松田さん

「小諸市がこうすべきだではなく、小諸市のために私たちが、

あるいは私の会社がどんな貢献ができるかという

私主語というのが大事だと思います。

多くの地方創生では、あなたの街はこうすべきだという

「あなた主語」が多いと、これは続かない、

私が主体的に何ができるかという、

私主語になったというのが今回非常に重要だったと思います。

続けることと深めることと広めること。

続けることは、来年度、あるいは次次年度に

丸の内プラチナ大学小諸分校を作ろうと思っています。

今回来た人々、あるいは新しい人々が来て

小諸市民の方々と小諸の未来について、

あるいは都市と地方の連携について

語り合うようなモデルを作りたいと思っています。

深めるというのは、小諸分校の協議の中で、

きょう出たアイデアを一過性のものではなくて、

市民と一緒に深めていきたいということ。最後広めるというのは、

地方と都市同士の連携で広めるということです。

あとは最後には小諸で国際会議をやりたいと思っていまして、

世界で一番高齢化が進んでいる日本が、

実は小諸で、日本で一番先駆的なまちづくり、

あるいは未来人材育成の取り組みがあるということを

世界にアピールするような国際会議を

小諸で開催したいと思っています。」