小諸市社会福祉大会が、

今月23日(土)文化センターで行われます。

ことしの社会福祉大会では、

佐久市出身のユンミアさんが監督を務めた

東日本大震災復興 ドキュメンタリー映画

「一陽来復」が上映されます。

 

東日本大震災から6年後の東北を舞台に、

手探りで前進する人々の姿を映し出す

ドキュメンタリー映画「一陽来復(いちようらいふく)」。

岩手、宮城、福島の被災3県で生きる人々の姿を通じて、

震災後の東北の姿を伝える、ドキュメンタリー作品です。

 

監督を務めるのは、佐久市臼田出身のユンミアさん。

2016年夏から撮影を開始し、2017年春に完成。

宮城、岩手、福島の3県で出会った人々と、寄り添い、

そこで出会った20人を超える人たちの、

今の暮らしと希望を

映画を通して伝えています。

 

ユン監督

「みなさん本当に明るいんです。

にこにこ笑って何か新しい取り組みを面白がってされていて、

でもお話を聞くとそんな体験もされたんですかと

本当にいたましいことがたくさんあって、

それはきっとその痛みというのはなくならないんですよね。

心の中から。笑っているから全て乗り越えたのではなくて

痛みってずっと多分一生死ぬまでその方の心の中にずっとあるんだけれども

それでも人は笑顔をつくることができるし

前を向いて生きて行くことができるんだということを

すごくまざまざと見せてもらったと思います。

この映画は東日本大震災という震災にあわれた方を撮っていますが、

テーマは震災ではなくて何か困難に襲われた時に人は

どういう風に生きて行けるのだろうかという一つの見本というか

答えを東北の方々が見せてくれていると思うんですね。

その姿というのは私たちと何ら変わるところはない。

いつ私たちにもそういう不幸だったり襲われるかわからないので、

本当に私たちとつながっている方々の話しで、

程度の差はあれみんな辛いことって絶対抱えて生きていると思うんですね。

それでも私たちは笑って前を向いて生きて行けるんだということを

東北の方々が教えてくれていると思うので。」

「みなさんの笑って生きている姿、

その裏には抱えているものがあるんだけれども

これだけみなさんが前を向いているんだよということを

多くの方に見てもらいたいと思います。」

 

映画には、津波で3人の子どもを亡くした自宅跡に

集会所を設け、

「虹の架け橋」と名付けた遊具を手掛けた

木工職人・遠藤伸一さんと

その妻綾子さんも登場します。

 

被災地で、

小諸市民から集めたこいのぼりを掲げる活動を始め、

支援活動などを10年に渡り続けてきた

市内のボランティア団体「遊子の会」代表の

田中たま子さんは、

映画にも登場する遠藤さんらとも

交流を続けてきました。

社会福祉大会での映画の上映は、

田中さんらの熱意によって実現したものです。

田中さんは、映画の上映についてこう話します。

 

田中さん

「やっとやっと小諸のみなさんに知ってもらえるっていうんですか、

10年以上通っていますけれども、

やはり伝えるということはとても大事なことで、

私も通うことで学んで、あちらこちらに行って信じられないほど、

小諸は津波ないですけど、自然はいっぱいありますよね。

やっぱり被害とか本当に信じられないんですよね。

小諸でも19年の水害じゃないですけど本当にわからないし

だったらちょっとでも、自分は大丈夫といってそのときに、

石巻のはなしじゃないけどあれだけの高い堤防があって

大丈夫だといってお茶飲んでいて

亡くなったかたっていっぱいいらっしゃるわけですよね。

だから大丈夫じゃなくしてあったときに即、

あくまで生死を分けるという意味なんですけど、

自分の中で自分の命は自分で守るということを知ってほしいと思ったんです。

今回は監督、ユン美亜さんの温かい思い、

本当に素晴らしい方でとつとつと流れる思い、

それと遠藤さん、子どもさん三人亡くされて、

本当に今でも、

「たまこさん、ぼくね、今までは何かあったときに、

いつでもそっちに行きたいっていうようなこと言われていたです、

でも今はね、大きな地震がきたときに、

子どもたちにちょっと待ってってお父さんまだここで生きたいからちょっと待って」

って初めて子供たちに言えたんだって。

何とも言えないね、あったかくて大きくて表面的じゃないんですよね。

だからね、ただすっと見るだけ聞くだけじゃなくして

みなさんの心の中にそういうのが残されていたら、

今度自分の子どもとか孫とか何かあったときに

自分で自分の命を守るということを

やってもらえたらいいなと思って

活動をしておりますが、

みなさん、自分のために、

自分の大切な人のためにぜひおでかけください。

よろしくお願いします。」

 

小諸市社会福祉大会は23日午後1時に開会。

式典・表彰後に、

東日本大震災後の東北を舞台にした

ドキュメンタリー映画「一陽来復」が上映され、

ユン監督と映画に登場する遠藤伸一さんの

舞台挨拶も予定されています。