市立小諸図書館の管理運営を担っている

NPO法人本途人舎が、

「小諸の民話」を題材にした紙芝居をつくり、

市内の小学校や保育園などへ寄贈しました。

 

9日(火)には、図書館で紙芝居の贈呈式が行われ、

NPO法人本途人舎代表の大林晃美さんらが

小泉市長と小林教育長に、

紙芝居を手渡しました。

 

「紙芝居という非常に親しみやすい形で

制作をいただいたということ、

小諸にまつわるということの中で

子どもたちが自分たちの郷土を思い出したり、

また大人になった時に自分の次の世代に引き継ぐ、

繋いでいくという部分で大切なものを

いただいたなと思っているところであります。」

 

また、小林教育長は、

「紙芝居はデジタルな時代だからこそ心に残るものになる。

大いに活用していきたい。」などと述べました。

 

今回の紙芝居は、

今からおよそ40年前に出版された

「むかしの話 小諸の民話」の中の

氷区の風穴に伝わる伝説の民話

「水のつと湯のつと」をもとに作られたものです。

「むかしの話 小諸の民話」は、

図書館を拠点に活動していた

「小諸児童文学の会」の母親たちが

「小諸に伝わる民話を後世に伝えたい」と

各地の高齢者宅を訪ね歩き、話を集めて本にしたもので、

続編とあわせて78編の話が収められています。

 

本途人舎では、これまで

地域の民話を伝えていこうという取り組みを

続けてきています。

 

「耳で聞くという文化」が途絶えつつある中で、

次世代に小諸の民話を継承し、

郷土愛を育んでいこうと、

民話の紙芝居制作に取り組みました。

 

脚本を担当したのは、

本途人舎スタッフの竹内ゆかりさんです。

元の話から再話して

最後は現代の風穴の取り組みにつなげるように

脚色を施しました。

子どもたちにもわかるように難しい言葉の解説も記載。

話に基づき、全12枚の割り付けなども行ったと言います。

 

竹内さんが割り振った話に基づき12枚の絵を担当したのは、

岩村田高校ボランティア班の生徒たちです。

次世代の若者にも携わってもらいたいとの思いで

近隣の高校などに募集をかけたところ、

手を挙げた岩村田高校ボランティア班との

共同作業が実現しました。

 

制作にかかる費用は、

県の地域発元気づくり支援金を活用。

60部制作したうち、

市内6つの小学校と7つの市立保育園とさくら保育園、

それに市立図書館に寄贈しました。

その他は佐久地域の小学校と、

東信地区の公共図書館、

それに県立長野図書館と、

国立国会図書館などにも寄贈する予定です。

また、紙芝居の舞台が氷風穴ということで、

「氷風穴の里保存会」にも寄贈するということです。

 

大林さん

「なかなか民話を学校の現場でもそうですし

家庭でもそうですし

お話を聞くとい機会が失われつつある中で

小諸に伝わっている民話や伝説って

私たちの心にアイディンティティの底にあるものだと思うんですね。

小諸を離れていく子どもたちにとっても

小諸が懐かしい地であったり、

また更に子どもに語って聞かせるお話として

心の中にとどめてもらえるといいなという思いで

民話に取り組みました。

氷地区のみなさん今一生懸命活動されていて

語りで語ることも多い題材ですので、

これをぜひみんなにこういう伝説があって

地があるんだよと聞くと

また小諸への愛着も違うかなと思って選びました。

高校生のみなさんには忙しい中時間を割いていただいて

良い絵を描いてもらって本当に助かりました。

高校生と取り組めて本当に良かったと思います。

みんなが住んでいるこの小諸には、

たくさんいろいろなお話が残されているので、

ぜひおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんと一緒に

楽しんで聴いてもらえると良いなと思います。」

 

竹内さん

「もともと原作というか元のお話が

「むかしの話 小諸の民話」の中にあったので、

そちらを再話と言う形なので

そんなに期間かからず出来たと思うのですが、

ただ紙芝居の方の長い話を

12場面に割り振る際にどこの場面を学生さんたちに

描いて頂くかというところでの

小回りがちょっと難しかったです。

想像していたよりもしっかりとした作りになっていて、

発色もとても良くて感動しました。

長くお子さんたちに使っていただける

紙芝居になったと思います。」