市内相生町にある婦人服販売店「ナオミ」で、

小諸市野生鳥獣商品化施設で解体された

鹿の皮を活用した「鹿革製品」の取り扱いが

8日(金)から始まりました。

 

全国的に生息数が増加している「ニホンジカ」。

「生態系」「農作物」に被害をもたらすことから

日本全国で害獣とされています。

 

小諸市では、

行政職員と狩猟免許保持者や獣医師などの市民による、

小諸市野生鳥獣対策実施隊を平成27年度に結成。

ニホンジカなどの野生鳥獣の捕獲・駆除活動に

精力的に取り組んできました。

 

捕獲・駆除された鹿の多くは

「燃えるゴミ」・「埋め立てゴミ」として処分されます。

鹿の捕獲数増加に伴い、

捕獲・駆除・処分費用が高騰し、

捕獲・駆除が困難な状況となっていました。

そんな中、駆除した鹿の有効活用を進めていこうと、

小諸市は平成28年度に、

Shika-kuyuwa projectを

立ちあげ対策を実施。

 

そこで取り組んできたのが、

捕獲したニホンジカの肉や角を

ペットフードなどに加工する事業です。

年々、需要を伸ばしてきました。

 

さらに、皮の利活用として、

鹿革製品の商品化が実現。

小諸市が飯田市にある

皮革製造加工メーカー「メルセン」に

小諸市野生鳥獣商品化施設で解体され鹿皮を販売し、

加工された革製品を

「ナオミ」が仕入れることになりました。

名刺入れ、ペンケース、ネクタイの3つの商品を展開し、

すべて「ナオミ」で販売しています。

 

今回販売を始めた鹿革製品のコンセプトは、

小諸市の新たな特産品となること、

鹿の命を無駄にせず「資源」として生かすことです。

 

商品化にこぎつけようと中心になって活動した、

市役所 前 商工観光課の小林さんは―

 

「害獣なんですけれども、

命あるものを決して

無駄にしてはいけないというところで、

肉の販売に始まり、続いて

今回皮の販売ということになっていますので、

命を無駄にしない、

この取り組みというものを大事にしています。

なめす会社さんもプロですし、

縫製していただく方もプロですし、

本当に満足したものになっています。」

 

今回の鹿革製品は、なんといっても色が豊富。

全14色から選ぶことができます。

名刺入れはセミオーダーが可能。

自分好みの色をパーツごとに選び、

世界に一つだけの名刺入れを作ることができます。

さらに、全ての面に鹿革を使用。

表面には傷のない革を使い、

ポケットの中などは傷がある革を活用しています。

ペンケースはペンが4本入る実用性がありながら、

高級感のある仕上がりに。

 

ネクタイは傷のない部分のみを使った貴重な一品です。

今月8日(金)から鹿革製品の販売を始めた「ナオミ」では、

鹿革製品を求め初日から多くの人が来店したようです。

 

「けっこう何人ものお客様いらしていただいて、

オーダーしていただいたんですけど、

本当に手にとって、自分だけのオリジナルの

名刺入れが作れるっていうことですごく喜ばれました。

選ぶのも楽しみでね、

そういう点でも非常に喜ばれております。

完成品が来るのが楽しみですと言っていました。

このしか革のなめし方の違いだとか、

革の柔らかさだとか、

素材感の良さとかっていうのを、

本当に実際手にとってみて、実感しました。

素晴らしいと思います。」

 

名刺入れはマチ幅の異なる2種類の型があり5400円~、

ペンケースは4800円、ネクタイは1万8千円です。

 

鹿革製品は革の種類や色によって2週間~1ヶ月ほどで完成。

今後、鹿革で作った名刺入れとペンケースは

ふるさと納税の返礼品になる予定です。

 

小林さん

「革製品というのはなんでも作ることができます。

ですので、お店ごとにですね、

それぞれの特徴を生かした商品というのが

展開されていけばいいなという風に思っています。

小諸でとれた鹿で小諸のお店が売るという形になれば、

名産品というか特産品というか

そういうものになっていくんじゃないかな

ということを期待しています。

ぜひですね、物としてもすごく良いものですし、

世界で唯一オリジナルっていう

そういった利点もあるんですけれども、

それだけではなくて、命を無駄にしない、

このコンセプトをですね、ぜひご理解いただいて、

みなさんに手にしていただけると

うれしいなという風に思います。」