市内市町に住む日本画家で、
小諸高原美術館・白鳥映雪館の学芸員でもある白鳥純司さんが、
このほど、「佐久平の美術展」で最優秀賞を受賞しました。
日本画家の白鳥純司さんは、現在35才。
小諸市市町出身で、東京芸術大学で日本画を学びました。
卒業後は東京を拠点に作家活動を続け、
数々のコンクールで入賞、入選するなど活躍してきました。
平成28年11月からは、
地元小諸を拠点にしたいと活動の場を移し、
同時に小諸市の学芸員として、
小諸高原美術館・白鳥映雪館に勤務しています。
そんな白鳥さん。
今年度「佐久平の美術展」へ出品した作品が最優秀賞を受賞。
今回で3回目の出品で、
東京芸術大学在籍中の平成18年に奨励賞を受賞したことがありますが、
最高賞となる「最優秀賞」は初めてです。
およそ100点の応募の中から選ばれたというこの作品。
タイトルは「時の映り」。テーマは邪馬台国の卑弥呼です。
「元々最初は女性像を描きたいというのが頭の中にありまして、
一番自分のイメージしやすい、
その時に思い浮かんだのが卑弥呼という題材でして、
その卑弥呼は一体当時どのようなものを見ていたのか
というところを踏まえて自分の中でイメージをふくらませて描いた作品ですね。
こちらは三角縁神獣鏡という鏡でして、
当時卑弥呼が生きていたとされる弥生から
古墳時代にかけてよく多く出土した銅鏡ですね。
その銅鏡を手に持たせまして、
その鏡を通して卑弥呼は一体何を見ていたのかというのを
凛とした女性像にたとえて作品を描きました。」
そうした思いから生み出された作品。
背景にも三角縁神獣鏡を配し、
更には、後ろの緑色の部分は勾玉を描きました。
「緑青(ろくしょう)」と呼ばれる
日本画用の緑色の岩絵の具を使用し、
勾玉のヒスイ色を繊細な色調で表現しています。
「やっぱり勾玉は緑色の色なので背景をこだわりたいというのがありまして、
緑によってもいろんな黄色系の緑でしたり、
青系の緑でしたり、緑の中でもいろんな色調があるので
色に合わせて何色も重ねて複雑な色味を出しています。」
構想から含めると
一年以上かけて仕上げた作品ということもあり、
喜びもひとしおのようです。
新進気鋭の若手日本画家としての道を着実に歩んでいる白鳥さん。
今回の受賞を機に今後更なる活躍が期待されます。
「ぜひ制作の方頑張ってみなさんに
いいなと思ってもらえるような作品に
精進していきたいなと思っています。」