坂の上小学校では、

小諸市と姉妹都市提携を結んでいる

富山県滑川市の田中小学校と

毎年、交流事業を行っています。

ことしは、夏に2日間、

田中小学校の子どもたちが

小諸を訪れ、先月には、

坂の上小学校の子どもたちが

滑川市を訪問しました。

 

交流初日となった8月31日。

坂の上小学校の全校児童が

田中小学校の6年生32人と引率者たちを

校歌を歌って出迎えました。

坂の上小学校と田中小学校の交流は、

昭和49年に小諸市と富山県滑川市が

姉妹都市提携を結んだ際、

双方の市の少年野球チームが

交流試合を行ったことがきっかけとなり、

その翌年から始まったものです。

以来、両校の保護者などが互いに協力し、

毎年途切れることなく続けられていて、

ことしで43回目を迎えました。

田中小学校の子どもたちは歓迎に対する感謝として、

滑川に古くから伝わる民謡

「新川古代神」に合わせた踊りを

披露しました。

これから始まる交流にわくわくが止まらない子どもたち。

さっそく町へと出かけ、

北国街道や懐古園を

スタンプラリーをしながら巡りました。

 

田中小児童

「(小諸に来るのは初めてですか?)

初めてです。自然が多い。いろいろ楽しめていけたらいいかな。」

「いっぱい話して友達になりたいです。」

 

坂の上小児童

「(田中小学校の子とは仲良くできた?)

はい、できました。

何でも気軽に話せる相手になれたらなとは思います。」

 

この日、田中小学校の子どもたちが帰るのは、

坂の上小学校の子どもたちの家です。

このホームステイも

交流事業のメインイベントの一つとなっています。

子どもたちは緊張した表情を浮かべながらも、

迎えにきた保護者に導かれ、

それぞれのホームステイ先へと向かいました。

迎えた2日目の9月1日。

この日は松井農園でりんご狩りです。

 

子どもたちは色づいたりんごを

おいしそうに口いっぱい頬張っていました。

一夜共に過ごしたことでグッと距離が縮まったようで、

皆1日目よりも自然な表情で交流を楽しんでいました。

 

田中小児童

「とても自然豊かでりんごもすごくおいしいです。

(お家に泊まったのはどうでしたか?)

みんなで話をしたりゲームをしたりしたので楽しかったです。」

「(りんごの味は?)

酸味があったり甘かったりしてとてもおいしいです。

(昨日はかいとくんの家に泊まったということですが?)

バーベキューとか花火をしてとても楽しかったです。」

 

坂の上小児童

「バーベキューは人数が多い方が楽しいので、

みんなでおいしく食べられたのでよかったです。

伝統があるのでそれで新しい友達もできるので楽しいです。」

 

続いて向かったのは、懐古園に隣接するそば打ち道場です。

昼食に食べるそばを自分たちで作ります。

そば打ちは初めてという子どもたちも多く、

皆一生懸命に取り組んでいました。

悪戦苦闘しながらも、仲間と協力して打ったそば。

味は格別のようです。

 

 

児童

「自分で作ったからうまいし、天ぷらもおいしい。

練るところとか難しかったけど、すごく楽しかったです。」

「知らない子とは緊張するけど、

でも仲良くなれたので良かったです。」

 

10月は反対に、坂の上小学校の子どもたちが

田中小学校のある滑川市に向かいます。

食を通じて仲を深めた子どもたち。

10月の交流事業に向け、一層期待が高まったようでした。

 

坂の上PTA会長 掛川さん

「限られた時間の中で自分たちでコミュニケーションを図りながら

多くの友達といろんな知識を得ることを

重要に思ってもらえるとすごくいいかなと思っています。

例年本当に温かいおもてなしがございますので

本当に今から楽しみにしています。」

 

田中小育友会長 櫻井雄一さん

「田中小学校の子どもたちも小諸のことをよく知る。

お互いのことを知ることができるのはすばらしいことだと思います。

ことしも子どもたちいろんなおもてなしを受けたと思うので、

小諸にない海とかを前面に出して

またおもてなしをしたいなと。

心に残るようなことができたらなと思います。」

         

10月12日。

富山県滑川市の田中小学校には

坂の上小学校の子どもたちの姿がありました。

8月の小諸交流からおよそ2か月。

待ちに待った滑川交流の日です。

田中小学校では6年生が

坂の上小学校の子どもたちの到着を待ち構えていました。

およそ2か月ぶりの再会です。                    

体育館では、田中小学校の全校児童が揃う中、

歓迎会が行われました。

                      

歓迎会では児童同士の交流を深めようと、

ゲームも行われました。  

2ヵ月ぶりの再会に少し緊張した表情を

見せていた子どもたちも

ゲームを通して打ち解けてきたようです。

 

田中小学校のブラスバンド部による歓迎の演奏や

坂の上小学校の子どもたちによる

小諸の紹介やダンスの披露も行われ

子どもたちにとって楽しい交流の時間となりました。

滑川交流初日のこの日、午後最初に企画されたのは、

隣の魚津市にある魚津水族館の見学です。

魚津水族館は、創立100年以上の、

日本で最も歴史のある水族館。

富山の川や富山湾にいる生物の展示に

坂の上小学校の子どもたちは

皆、目を輝かせていました。

続いて一行が訪れたのは滑川漁港です。

ここからは3つのグループに分かれ

滑川ならではの体験が行われます。

一つは、べニズワイガニの試食。

朝とれたばかりの新鮮なカニを味わいます。

滑川漁港でのカニの試食は、

坂の上小学校と田中小学校の交流事業だけで行われている特別企画です。

子どもたちは、小諸には無い海の幸を満喫していました。

その他にも、海洋深層水の分水施設を見学するなど

海のまち、滑川をめいっぱい体感した子どもたち。

気がつけばあっという間に夕暮れ時になっていました。

この日最後のプログラムは、海の夕日観賞です。

仲間と共に見る美しい夕日は子どもたちにとって

格別の思い出となりました。

 

交流2日目。

朝の会では、代表の子どもたちが昨晩のホームステイの感想を発表しました。

 

田中小男子

「僕は坂の上小学校の人たちと仲良くなれるか楽しくやれるか心配していました。

でも、温泉やご飯を一緒にしてとても楽しかったです。

この後の活動も楽しみたいです。」

 

坂の上小女子

「私がホームステイをして、心に残ったことは、ごはんの時です。

ホームステイ先の方が、いつも私たちのことを気にかけてくれて、

とても助かりました。ごはんもとってもおいしくて楽しかったです。

他にも、いろいろと助けて頂いてちゃんと休めました。

なのできょうもちゃんと楽しんでいきたいです。」

 

受け入れ家庭にあいさつをし、

2日目の交流プログラムが始まります。

この日初めに訪れたのは、

滑川漁港にある「ほたるいかミュージアム」です。

ほたるいかが多く集まる滑川の海面は、

国の特別天然記念物にも指定されています。

子どもたちは、ミュージアムで、

滑川とほたるいかの魅力に触れていました。

続いて行われたのは「クルージング体験」です。

港町ならではの体験に子どもたちは

海を眺めたり写真を撮ったりと大興奮の様子でした。

この日一行が最後に訪れたのは滑川市の隣、

富山市内にある浜黒崎海岸です。

2日間の滑川交流もこの浜遊びが最後のプログラム。

 

子どもたちは坂の上小学校と田中小学校、

学校の垣根を越えて、

友達同士、海に入ったり話に花を咲かせたりと

思い思いの時間を過ごしていました。

田中小学校に戻ってきた子どもたち。

いよいよ別れの時が近づいてきました。

仲よくなった友達同士、

皆、名残惜しさを抱えながら、お別れの会に臨みます。

 

田中小男子

「僕はこの2日間を通して、

小諸の人と更に仲を深めることができたのが、一番心に残っています。

僕は遊んでいる内に、時間があっという間に過ぎてしまうように感じましたが

とっても楽しかったです。

この後、坂の上小学校の皆さんは小諸市へ帰ってしまいますが、

またお会いできたらうれしいです。」

 

坂の上小男子

「僕が一番に心に残ったのは、水族館とクルージングです。

水族館では、僕が知らない生き物が沢山いて、驚きでした。

クルージングは40kmというと、車より全然遅いなって思ったけど、

体感速度では倍以上だと思ったので、

すごいと思いました。」

 

43年の長きにわたり、

両校の伝統として続けられてきた坂の上小学校と田中小学校の交流事業。

 

ことしもまた、

両校の子どもたちにとって、

忘れられない大切な思い出となったようです。