野岸小学校管理棟について、
耐震工事が未実施だったことが発覚したことを受け、
今日23日の議会本会議前の全員協議会で、
第3者委員会による検証委員会の調査結果が
議会に報告されました。
検証委員会は、去年11月、
野岸小学校管理棟の耐震工事が
未実施だったにもかかわらず、
公立学校施設台帳には既に実施されているとの記載がなされ、
その旨の公表もなされていたことが判明したことから、
その原因の調査、検証を行なうために設けられたものです。
弁護士と一級建築士、元県職員の3人で構成され、
今年1月6日から2月16日まで全10回に渡って
会議が行なわれてきました。
報告によると、平成7年当時、
野岸小学校は、市内の小中学校の中では最も古い
昭和39年建築であったことから、
耐震診断と耐震補強、大規模改造の設計を実施。
その際、耐震補強工事の概算予算が1億9千万円余りと見積もられ、
当初市が予算化した5000万円を
大きく上回るものであったことから、
当時進められていた芦原中学校改築工事を先行。
野岸小学校管理棟については、
補強工事と同時に進めるだけの予算化が困難だったことから、
大規模改造工事だけ行なうよう方針を転換ということで、
その際、大規模改造工事の設計図が作成され、
工事が実施されたということです。
工事後、耐震診断の担当者が、
大規模改造工事の設計担当者から、
「屋根の軽量化をしたので耐震措置もできた」と
受け取れる趣旨の発言を聞いた
との供述があり、
検証委員会では、
耐震診断が実際に行なわれていたこと。
耐震補強工事の設計図が存在したこと。
耐震補強工事と混同しやすい大規模改造工事が
行なわれたこと。
耐震補強に関する講習会未受講と思われる設計者の
大規模改造工事により、耐震性が向上したとの見解が、
教育委員会職員に伝わっていたかもしれないことなどからして、
平成14年頃には教育委員会内に、
野岸小学校管理棟の耐震補強工事は
実施済みとの認識が形成されたと思われるとしています。
更に、台帳の記載については、
平成13年度までのものには、
野岸小学校の耐震調査実施済みの記述があったものの、
平成15年度のものには、実施済みの記述がなく、
その後、平成18年度に、
過去の耐震診断実施済みの報告書や、
大規模改造工事実施の資料、
また、当時の教育次長による議会答弁などにより、
耐震補強工事未実施にも関わらず、
実施済みとの記載をしたことがわかりました。
不十分な調査のまま、誤った記載がされ、
更には、チェック体制や、指示・報告体制の連携が
欠けていたことなどから、
今回の事態が発生したとの見方が示されています。
再発防止に向けて、検証委員会からは、
台帳の整備、記載の徹底、
台帳の重要性の認識、
組織、体制、人的な整備について大きく3つの事項についての
提言がなされました。
これらを踏まえ、職員の不適切な事務処理によって、
児童や保護者などを不安に陥れ、
市政への信頼を失わせると共に、
少なからぬ損害を与えたとして、
全職員がこのことをしっかり認識し、
不適切な事務処理の防止について、
全庁的に取り組んでいく必要があるとまとめています。
今回の報告を受け小諸市では、
報告の内容を庁内で共有し、政策会議で協議した上で、
事務改正と組織改革に本腰を入れて
取り組んでいきたいとしています。