先月、南校舎の耐震補強工事が

行われていないことが明らかとなった野岸小学校。

今月1日(火)には、小諸市教育委員会による

保護者や周辺住民に向けた説明会が

野岸小学校の体育館で行われました。

この日は野岸小学校児童の保護者や周辺地域の住民など

およそ50人が集まりました。

説明会では冒頭、栁田市長と栁沢教育長が

一連の問題について保護者らに謝罪しました。

 

野岸小学校の南校舎は

平成8年の耐震診断で大幅な強度不足が判明し、

翌年の平成9年に

耐震補強を含めた改修工事に向け設計を実施。

しかし、実際には、設計をやり直した際に

耐震補強のみが省かれて

改修工事が実施されていました。

耐震補強工事が行われていなかった南校舎は

建設から50年が経過し

職員室や図書館がある一階と、

3、4年生の教室がある2階の校舎部分が、

過去の耐震診断により、

震度6強の地震に対して、

倒壊・崩壊の可能性が高いという結果が出ており、

早急な対応が必要な状況です。

問題発覚以降は祝日を利用し、保護者や教職員らによって、

南校舎の2階に教室があった3学級を

耐震を満たす北校舎の空教室へ移動。

南校舎3階の4学級は

万が一の際、避難が迅速に行えるよう、

南校舎2階教室へ引っ越しが行われました。

この日の説明会で、教育委員会は問題の経緯について、

平成17年の12月議会で、

当時の教育次長が議員の質問に対し、

実際には、耐震工事が行われていなかったにも関わらず「平成8年に耐震診断を実施し2億円ほどかけて

既に補強工事が実施済み」と

答弁していたことがわかったと報告。

この答弁がきっかけとなり、

平成18年度分以降の市の公立学校施設台帳に

「改修済み」と誤った記載がされた可能性があるとみて

調査を進めていることなどが説明されました。

教育委員会は問題の全容解明に向け

「当時の担当者などに聞き取り調査を行い、

今年中に中間報告を行うことができるよう

進めていきたい」としています。

また、仮設校舎の建設については、

栁田市長が

現段階では設計に最低でも3ヶ月かかる見込みだと説明。

南校舎の改修については

「建設から50年が経っていることもあり、

新築で考えている」と話しました。

今後、小諸市では

年内にも南校舎の耐震診断の再実施を行う他、

来年度の国の交付金によって、

新築工事実施に向けた準備を進めるとしています。

また、仮設校舎の設置については

現在開会中の12月定例会に

設計費の予算を追加計上し

緊急的に建設に向けて進めていく方針です。