『【特集】 人と猫の共存を考える④』

           
        Posted on 2026年 2月 3日      
     
       

全4回に渡ってお伝えしている

「特集 人と猫の共存を考える」。

最終回となるきょうは、

小諸市のTNR活動の取り組みから

現状と課題について考えていきます。


こちらは、市内のとある地域。

一歩足を踏み入れると、姿を見せてくれるのは、

多くのかわいらしい猫。


しかし、これらの猫は、飼い猫でも野良猫でもありません。

地域住民たちにより管理されている

「地域猫」と呼ばれる猫です。


猫は本来、

人間の管理のもと、室内で飼われる愛護動物で

野生化することができません。

しかし、昨今、

飼い主の放棄などにより、野良猫の数が増加しています。


猫は、繁殖力が非常に強く、

妊娠期間は約2ヵ月で、

一度の出産で4~8頭を出産します。

さらに、子猫が離乳すると、次の妊娠が可能になる

生後6か月前後で繁殖可能な年齢に達するなど、

繁殖サイクルが非常早いことが特徴です。


野良猫の中には、冬の寒さに耐えられず

冬を越せずに亡くなってしまう子や

風邪をひいてそのまま亡くなる子など

悲惨な死を遂げる猫がたくさんいます。


また、猫の糞尿による生活環境の悪化や

鳴き声の騒音被害などの問題も発生しています。


これ以上、悲惨な死を遂げる猫や

猫による問題を増やさないために

飼い主のいない猫を捕獲して不妊・去勢手術を行い、

元の場所に戻す活動が、「TNR活動」です。


小諸市では、こうした活動に賛同し、

令和元年度から

「飼い主のいない猫不妊去勢手術費補助金交付事業」を開始。

事業では、市民や市内で活動する団体を対象に、

動物病院で地域猫に不妊・去勢手術をした際の費用を

補助しています。

金額は、1頭の手術代としてメスが1万円、

オスが6000円です。


また、この事業を推進するために

クラウドファンディングも実施。

令和元年度から開始し、去年10月までに

総額およそ1100万円の寄付が集まりました。


こうした寄付により、

これまでに合わせておよそ1500頭への

不妊去勢手術が行われてきました。

 

生活環境課 塩川さん

「小諸市では無秩序な繁殖による飼い主のいない猫を増やさないために、

令和元年度から「飼い主のいない猫不妊去勢手術費補助金交付事業」を開始し、

地域猫活動を展開しています。

この事業により、これまでに1454頭への不妊去勢手術が実施されましたが、

未だに苦情やトラブルが続いている状況です。

市では、飼い主のいない猫にえさやりをしている方に、

不妊去勢手術のお願いに伺い、

猫ボランティアさんのご協力をいただきながら不妊去勢手術を実施しています。

また、施設入所等で地域猫などのえさやりができなくなってしまうというご相談では、

ご近所の方にえさやりの協力をお願いするなどしています。」


小諸市では、

今年度も今月2月25日まで寄付を募っています。


生活環境課塩川さん

「飼い主のいない猫不妊去勢手術費補助金交付事業を推進するため、

毎年クラウドファンディングに取り組み、皆さまからの寄付を募っています。

市内にお住いの方も市外にお住いの方もスマホなどでご寄付いただけます。

また、生活環境課の窓口でも寄付いただけます。寄付金控除の対象になります。

皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。」


行政と地域住民、ボランティアの

三者協働での取り組みが重要なTNR活動。

どこかひとつでも欠けると問題が起きてしまうのです。


生活環境課 塩川さん

「猫は繁殖力が強いため、苦情やトラブルがなかなか減りません。

また、猫ボランティアさんのご協力により実施している事業ですので、

ボランティアさんの負担をもっと減らせるよう検討が必要だと考えています。

そして、猫の多頭飼育の背景には、エサやりをしている方への支援は必要な場合もあるため、

生活環境課だけではなく、保健福祉部とも連携し、

人にも猫にも寄り添う取り組みが必要になっています。」


そんな中、近隣の東御市や上田市では、

行政・社会福祉協議会・ボランティアなど、

さまざまな機関が連携し、協働で活動を行っています。


その名も「チームTAG(タグ)。」

「Think(シンク)」

「Alignment(アライメント)」

「Going」の頭文字をとったもので、

福祉面からの多頭飼育崩壊の予防や、

早期発見、救済を目的とした多機関連携チームです。


「チームTAG」発足のきっかけは、

東御市での猫の多頭飼育崩壊事案。

多頭飼育については、これまで動物の問題だとして

動物行政やボランティアが全てを担ってきました。

しかし、対応していく中で多頭飼育問題は、

孤立や高齢、貧困、失業など飼う人の問題も大きく、

人の問題について支える部署と

福祉的なサービスを提案しながら

解決に導くことが必要だという結論に至りました。

 

現在チームには、行政や社会福祉協議会

ケアマネージャーなどの福祉提供施設、獣医師、

動物愛護ボランティアなど、多岐に渡る人たちが在籍。

ズームでの会議による意見交換や学び合い、

広報活動、連携救済などを行っています。


各地で広がる飼い主のいない猫に対する活動。

長年、ボランティアとして活動を行ってきた

立松さんが目指す「人と猫が共存する社会」とは?


立松さん

「猫が好きな人、嫌いな人、犬が好きな人、嫌いな人、

爬虫類が好きな人、嫌いな人、いろんな人がいて、

私たちは猫を好きになってくださいっていう活動ではないので、

ただ、共存できたらいいかなと思うんですね。

我々(人間)も地域猫がまちや集落を歩いている風景を

「あ~猫が歩いてるな」っていう風に、そのくらいに思えて、

どっちが上でも下でもなくて、偉いとかもなくて、

同じ地球の上にいる動物、仲間として

いがみ合うことのないようになるのがいいなと思います。」

 

人と猫、それぞれが幸せに暮らせるまちを目指して。

立松さんたちの活動はこれからも続きます。

     
   
 
TOP