『講演会「水を守ることは、未来を守ること」 (25.5.31)』

           
        Posted on 2025年 6月 17日      
     
       

「水を守ることは、未来を守ること」と題した講演会が

5月31日(土)、ステラホールで行われました。


「止めるな水のライフライン

事故が問いかける未来への課題」をテーマに、

小諸市上水道課の主催のもと開かれた今回の講演会。

会場には、市民や周辺水道事業関係者など、

およそ100人が集まりました。


講師は、グローバルウォータ・ジャパン代表の

吉村和就さん。

吉村さんは、日本を代表する

水環境問題の専門家の一人です。

国連テクニカルアドバイザーとして、

発展途上国の水インフラの指導を行ってきました。

 

ことし1月に埼玉県八潮市で発生した陥没事故についても

有識者として複数のテレビ局で解説するなど、

水問題を国民にわかりやすく伝えています。


まずは、世界中の水資源の現状について解説。

中国経済を支えている長江でも

一部干ばつ被害を受けていたり、

水源の取り合いで紛争が起こる地域があったりと、

水不足によって引き起こされる深刻な国際問題が

挙げられました。


講演の後半は、日本各地の水道事情と比較しながら

長野県や小諸市の立ち位置を説明し、

持続可能な水道事業について吉村さんが考えを展開。

吉村さんは、「小諸市は管路の老朽化が加速し、

今後いつ断水が起きてもおかしくない」

と話しました。

 

現在の小諸市の対策として、

官民連携で水道事業に取り組んでいる

水みらい小諸については、

さらなる最新機器の導入によって、

業務の効率化を進めていく方針が示されています。

吉村さんからは、

官民連携で補いきれない部分として、

小諸市に求める方策を

次のように提案しました。


「これから給水区域を広域化する。

それから、民間を活用するということですね。

そうなりますと、例えば隣の佐久とやるとか、

場合によっては軽井沢と手を組むとか、

いろんなことがこれから考えられると思います。

それから、あと経営の改革ですね。

今まで皆さんの所は、例えば

硬水と軟水…硬い水と柔らかい水が市内にあるのは、

これはある意味では非常に幸せな所と。

それから、お水に合わせた

いろんな新しい仕事が

作れる可能性があるということで、

そういうことをきちっと市民への

広報活動をするべきじゃないかな

と僕は思っております。」


参加者からの質疑応答では、

「日本の水源地を買い占める外国人」や

「鉛配管の人体影響」についてなど、

みな強い関心を持った様子で

具体的な質問が飛び交いました。


最後には吉村さんから、

小諸の水を活用したまちづくりについて

提言されるなど、

水問題の深刻さだけでなく、

未来に向けた対策についてまで考えられた、

有意義な講演会となったようです。

     
   
 
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