『芦原新校仮設校舎建設 紆余曲折を経て全部仮設校舎建設へ (25.11.28他)』

           
        Posted on 2025年 12月 17日      
     
       

令和10年に開校を予定している

小中一貫、施設一体型の義務教育学校芦原新校。

一度9月議会で否決されていた

建設工事中に、

芦原中学校全生徒が収容可能な仮設校舎建設に関する

予算案が12月定例会初日の本会議で可決されました。

紆余曲折を経て決定した全部仮設校舎の建設。

本会議で決まるまでの経緯などについてまとめました。


芦原新校工事中の生徒たちの仮設校舎については

市議会6月定例会で一部仮設校舎の建設予算案が可決。

その後、騒音・振動対策や工期の短縮を図る目的で、

全生徒が収容可能な仮設校舎の建設に関する予算案が

9月議会に提出されました。

しかし、一度6月議会で可決していた経緯や

当初予定していた額よりも1億9千万円の増額などを理由に

賛成少数で否決されました。


これを受け、芦原中学校PTAでは

生徒たちの安全安心を第一に考え、

全生徒収容可能な仮設校舎の建設を求める

署名活動を開始。

オンラインも含めて11月14日までに集まった

2千481人の署名を、市長、議長、教育長に提出し、

再度の予算化と審議について要望・請願を提出していました。


署名が後押しにもなり、

12月定例会には、初日即決の審議として、

令和10年開校予定の芦原新校に向けて、

一部仮設校舎から全生徒収容可能な

仮設校舎建設に変更するための

債務負担行為補正が

市側から提出されました。


一方、この予算案に関しては、

署名活動に学校側が関わっているという証言から

行政の中立や透明性に問題があると

議員有志らが定例会初日の前日に、

議案の取り消しの申し入れを行っている経緯もあります。

 

定例会では初日即決の審議となったことから

本会議休憩中に予算決算委員会が開かれ、

山下教育長が議案提出の理由を述べました。

 

山下教育長

「当初から全部仮設を計画すべきところでした。

防音壁の設置、休日や夏休み期間に集中しての工事計画、

歩行者と工事車両の分離による安全対策と

工事関係者には最大限の対策をとっていただくことで

実施の方向を決定しておったことは事実であります。

しかし工事期間一年半という長期間にわたる工事であります。

予算にしばりがあったとはいえ

当初の計画は子どもたちの安心安全な学校生活において課題があったこと、

これは否めません。

保護者のみなさま、なにより子どもたちに大きな不安を抱かせてしまったことは

本当に申し訳なかったとお詫び申し上げます。

9月市長部局との検討の結果、

子どもたちの安心安全な学校生活を保障すべきとの結論をいただき

全部仮設を要求するに至りました。

そうは言っても同じ敷地内での工事であります。

子どもたちには多くの我慢を強いることになります。

子どもたちの安全安心な生活を保障すること、

まずこの一点に向けて皆様に全力でお願いしたいと思っております。

安心安全な中学生活を送るためにも

中でも騒音振動粉塵等の障害を回避できる方法として

ぜひとも全部仮設をお認めいただきたくお願い申し上げます。」


教育長はこのように話し、

「署名活動が後押しにはなったが署名活動のみで

再び全部仮設校舎建設を決定したわけではない。」と説明。

一部の議員からは、

「署名活動を行う際に、

学校と保護者のデジタル連絡手段である

「スクリレ」を活用している。

これは学校側の関与には当たらないのか。

「市議会の議決が伴うものを署名活動で扱うことは

政治に関わってくるのではないか」など

署名活動の手法に疑問の声が

投げかけられました。


これに対し、教育委員会側は

あくまで主導はPTAで

電信版の署名をスクリレで配信するために

学校側に相談して許可を得たことであると説明。

学校側や教育委員会の政治的な関与について否定しました。

 

教育長

「保護者の思いが私は感じました。

やっぱり教育活動の一環として行われた署名活動であると今も思っていますので、

決して政治的な配慮からではないと

ここだけは私はその思いでここに座っております。

確かに財源のことに関わって、

保護者がそういう文言を文章の中に入れて署名活動をしたとすれば

それは政治活動に関わっていると思いますが、

今回は子どもたちの学校生活をいかに健全な形で送らせるか

ということがすべての文言から伝わってきます。

そういう意味でこれは保護者それからもちろん教職員も

どうかと聞かれれば当然子どもたちと生活している訳ですから

保護者の思いを強く感じるし教育環境を最善のものにしたい。

そういう思いを伝えると思います。

だからってそれを主導してそのようにしなさいと

そんなことは決してしていないと信じています。

果たしてこれは本当に政治的な配慮から行ったものと断言できるのでしょうか。

みなさんだって子どもたちの最善の教育環境というのは

当然してあげたいと思っていると思います。

そういう意味では政治的だとかスクリレを使ったということを討論するよりも、

子どもたちの生活を今後にどう生かしていくか

ということをこの場でお話しいただきたかったと思っています。」

 

3時間以上におよぶ議論では

署名活動の透明性や

今後の東中学校区の再編に関する財源の確保など、

さまざまな意見が挙げられました。

そして賛成、反対それぞれの立場での討論ではー。

 

小林一彦議員

「教育委員会、市長部局、そして議会は

子どもたち中心と言いながら想像力の欠如によって今回の混乱を招いてしまったことを

私たちは深く反省しなければなりません。

騒音や振動、そしてほこりにさらされ、まるで工事現場の中で

毎日授業を受けるような状況で学ばなければならない子どもたちの姿を

私たちは真剣に想像すべきです。」


竹内健一議員

「理事者は今定例会において先の議会で否決された議案を

再度市民の声として上程したことは署名の重みと相当の覚悟を感じ得ました。」


土屋利江議員

「大人の事情に子どもを巻き込むことはやめてほしい。

こどものためを第一に考えてほしいとの意見。

私も3人を育てた保護者として同感であります。」


髙橋公議員

「芦原新校を建てるとしても子どもたちの犠牲の上に成り立ってはならない。

私たちのつとめは犠牲を最小限にすること。」


そして前回反対に回った議員2人も賛成に。

議会が市に要望した

中間教室設置、トイレの増設などの5項目に関して

3項目が実現の方向にあることなどが

理由となったようです。。


土屋さつき議員

「署名の大きさですがスクリレを使ったり、

教育委員会の名前が入ったりと問題点は生じていたかと思いますが、

それをいただいた保護者などは純粋な気持ちで全部仮設を求めていると解釈しましたし、

その数の多さにも感銘を受けました。

それが必要なんだと強く感じました。」


小林重太郎議員

「賛成に回る理由として議会としての要望5項目の3項目が実現している。

納得した。賛成したのは5項目が極めて重要だと思います。

今回は署名も重く受け止めるがそれだけでなくトイレ、中間教室、給食室、保健室、児童館、

きびしい状況にある子どもたちに対する改善

これを高く評価して賛成させていただく。」


一方反対の声としてはー。

 

掛川議員

「署名の8割を超えているものがスクリレで集まったものだということです。

スクリレの使い方がどうだったかという検証が済まないと

そもそもこの提案理由は署名を重く受け止めて出したのだ

という前提が崩れてしまいます。」


楚山議員

「署名活動にもとづく結果であるならば活動の正当性を問わなければならない。

保護者の関与は問題ないが、学校教職員は保護者側の忖度によって

働きかけが成立しやすい立場にあります。」


清水議員

「芦原中学校も東中学校もどこの学校の子どもたちも大切です。

小諸市のすべての子どもたちのために判断することが議員としての責務だと思います。

まずは説明が不十分、設計にも重大な疑問、財政面も不透明、署名活動にも瑕疵がある。

初日即決にも納得できていません。

これは市民の声を切り捨てる行為だと私は思っています。

丁寧に審議して市民の不安に耳を傾けることこそ

私は議会の役割だと思っています。」


予算決算委員会での採決の結果、賛成多数に。


本会議でも9月議会から一転、

賛成11・反対6・欠席1の賛成多数で

「可決」となりました。


議会での議決を受け、芦原新校の仮設校舎は

全部仮設校舎の建設が進められることが決定。


署名活動を行った芦原中学校PTAの櫻井会長は

議決後このように話しました。


櫻井さん

「多くの意見が出されたんだなと実感しています。

その中で子どもたちがやはりちょっとでも

安全安心な環境が大人の責任でもって実現できるのであれば

私は今回の議決は本当にありがたい決断だったなと思います。

ただその署名活動自体を否定的だとか批判するような討論が行われたことはとても残念であります。

スクリレで署名していただいた方々の一筆が軽いだとか

そんな議論がありましたがそこに関してはすごく残念ですし、

一筆は一筆じゃないかなと思いますので、

論点のすり替えのようなそんなことを言われたのは残念ですね。

可決されて安心な部分はとてもあるのですが

残念な部分も多く聞けたと思っております。

約2500人の署名をいただけたことは本当にありがたいと思っております。

ひとつの決断がこれで覆ったということになるので、

あとは本当にいい義務学校になるように前向きな議論をしてもらいたいな。

とそれが子どもたちのよい教育環境や現場で働く先生方の良い環境につながっていくと思うので、

そんな議論がいち早く今後できてくればいいと思います。

本当にありがとうございます。」

     
   
 
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