『第32回 小諸・藤村文学賞 表彰式 (26.8.21) 』

           
        Posted on 2026年 9月 2日      
     
       

ことしで32回目となる

「小諸・藤村文学賞」の表彰式が

藤村忌前日の8月21日(金)に、

ステラホールで行われました。

 

「小諸・藤村文学賞」は、

小諸ゆかりの文豪、

島崎藤村の生誕120年、

没後50年の年である平成4年に

創設されたものです。

 

募集対象はエッセイで、

32回目となることしは、

国内外から3343作品が寄せられました。


この日の表彰式には、

受賞者28人のうち17人が全国各地から出席。

小泉市長から賞状を受け取りました。

 

一般の部、最優秀賞に選ばれたのは、

埼玉県在住の大脇望美さんの作品

「真っ赤な掃除機と、五十年目の読書」です。


人生50年を共にしてきた母が

生前借りていた本を図書館で

読み続けていたことを知った筆者。

母が見てきた景色や

読んだ言葉を追いかけて、

亡くなってからもなお

母と一緒に生きている父の姿が

つづられた作品です。


父は、こちらでずっと

本を読んでいるんですか」

職員は一瞬考えてから、声を落とした。

「実は先月頃から来られていて。

奥様が以前借りていらした本を

探しておられるんです」

「図書館のシステム上、

過去の貸し出し履歴をお伝えすることは

できないのですが」

「奥様の手帳に書いてある

本のタイトルを頼りに、

探していらっしゃるようで」

私は息を呑んだ。

「奥様が最後に借りられた本から、

同じものを読んでいらっしゃるようです。」

父は母を追いかけていた。

母が見た景色を。

読んだ言葉を。

感じた世界を。

五十年間、一度も興味を示さなかった

母の本棚を、今になって一冊ずつ。

もう一度、

母と同じ時間を一緒に生きたくて。

図書館で、父は母に会っていた。


選考委員の太田治子さんは

「文章を通し、互いの愛を高めて深めていった

すばらしい夫婦愛が描かれていた。」などと述べ、

作品を高く評価しました。

 

最優秀賞を受賞し、謝辞に立った大脇さんは

このように述べました。


最優秀賞 大脇望美さん

「今回私が書いた作品は

母が亡くなってからの父を見てできた

エッセイです。

亡くなった人を亡くなってからも本を通して

愛し続けることができるんだなと、

それをあの豪快な父と母から

教わった気がします。」


その他、高校生の部では、最優秀賞に

小林聖心女子学院高等学校1年の

廣垣心彩さんの作品、

「小さな背中に学ぶ」が。


中学生の部では、慶應義塾普通部3年

醍醐諒さんの作品、

「おなかすいとらんね」が

最優秀賞に選ばれました。


また、小諸市民や小諸市内に通学する

中高生に贈られる市長賞・教育長賞には、

一般の部、中学生の部から

2人が選ばれました。


小諸市長賞には

昨年度の奨励賞に選ばれた

渡辺規秀さんの作品、「両親に捧ぐ」が。


教育長賞には、

芦原中学校2年の依田心海さんの作品、

「私の髪が誰かを笑顔に」が選ばれました。


奨励賞には、

最終選考に残った作品の中から、

市長賞、教育長賞に準ずる

特に優れた2作品が選ばれました。


小諸市長賞 渡辺規秀さん

「自分の作品がたくさんの人に

読まれていることがとてもうれしいし、

本当に書いていて大丈夫かなと

思いましたけど、言葉の力が大きいんだなと

きょうの表彰式を見てもそう感じました。

知らないうちに両親が

結婚記念日を重ねていって

70年を超えたんですよね。

それにびっくりして、

こんなに過ぎてしまって2人で

一緒に過ごしている姿が印象的で、

その流れをずっとたくさん書いてあげたいな

という思いがあって書いてあげたんですね。

分量たくさんあったんですけど絞って、

作品として出させていただきました。

書いているうちに乗っているというか、

もっと書きたいという思いがあって、

もっとうまくなりたいという思いがあって、

これからも書いていきたいと思います。」


奨励賞 桒原勝海さん

「自分が高校生活を行ってきたことを

メインで書いた内容が新校が開校の年に

受賞できてうれしい気持ちです。

大変だったこととか含めて、

自分が学べたことが確かにあったな

ということを仲間への感謝、

先生への感謝も含めてつづりました。

一緒に手掛けてくださった先生に

報告できればと思います。

また機会があればいい内容を書いて

また受賞できればいいなと思っています。」


その他、去年新設された

応募作品の質と量が優れた学校へ贈られる

「学校賞グランプリ校」には、

京都の洛南高等学校附属中学校が選ばれました。


入賞者の作品をまとめた作品集は

全国の図書館や文学館などに配布されます。

また、市長賞・教育長賞・

奨励賞に選ばれた作品と

最終選考に残った作品は、

「高原の町のスケッチ2025」として

冊子にまとめられています。



     
   
 
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