『海野和男写真展 ~小諸の蝶と日本の蝶の故郷 雲南省~ (25.7.20)』
昆虫写真家・海野和男さんの写真展が
小諸高原美術館・白鳥映雪館を会場に
7月20日(日)~8月17日(日)までの日程で
始まりました。
初日の20日(日)には
オープニングセレモニーが行われました。
オープニングセレモニーでは、
主催者と来賓あわせて7人が
テープカットを行いました。
海野和男さんは、
東京農工大学で昆虫行動学を学び、
現在は世界各地で活躍するフリーの昆虫写真家です。
およそ30年前に小諸市にアトリエを構えた縁から、
2013年から毎年小諸高原美術館・白鳥映雪館で
写真展を開催してきました。
総数およそ300点のうち、第1展示室に広がるのは、
小諸市周辺で見られる蝶の世界。
小諸には115種類の蝶が生息し、
これは日本の蝶の半分近くと言われています。
小諸に生息する蝶を知ることで、
〝蝶の里 小諸〟の保全に目を向けてもらえれば
との思いで今回の展示が企画されました。
海野さん
「小諸で去年「アサマシジミ」というのが
保護しなくちゃいけない蝶々に指定されたんですね。
でも、アサマシジミって言っても
普通の人はわからない。
だから、「大体小諸にどんな蝶が住んでいるか」
なんていうのはみんな知らないので、
小諸市民の方に、
ぜひ小諸に住んでいる蝶を知ってほしいと。
小諸に住んでいる蝶は、
可能性があるのは115種類なんですね。
その115種類をほぼ全て、
小さいコマ割りの写真ですが
写真展示したというのが、
この蝶の展示です。」
一方、第2展示室では、
中国の雲南省で撮影された、
日本にも生息する蝶や近縁種が紹介されています。
今回の写真展で、
雲南省が「日本の蝶のふるさと」と称されている、
その訳とは―。
海野さん
「日本は実は昔は大陸とつながっていた時代もあって。
日本の中だけで日本の蝶が生まれたわけじゃないんですね。
中国の雲南省に…今度の写真は3年分なんですけど
ことしも行きましたので4年行ってみたら、
そこで見られる蝶のかなりの部分が
日本にいるものとかなり共通なんです。
あとは台湾にいるものと共通。
だから、日本とか台湾というのは、
実は中国西部とかつて物凄い関係がある時代が
あったということですね。
今中国大陸の日本に近いような部分は
物凄く発展しちゃって、
自然とかが無くなってしまったので、
ちょうちょとかいなくなっているんですが、
雲南省の奥に行くと、
日本では北海道と
本州の山の上だけにいる蝶がいたりとか
そういうことがあるので、
すごく僕にとっては面白かったということで、
「雲南省の蝶と日本の蝶のふるさと」
というタイトルにしました。
展示されている作品は、
海野さんの写真だけではありません。
「Next Generation」
と題したコーナーには、
10代・20代の若手写真家7人の写真が飾られています。
また、「2025生きもの写真リトルリーグ」の
予選を通過した9作品も同時開催で展示。
8月2日には、小諸高原美術館で
本選および表彰式も開催されます。
多種多様な蝶の美しさやルーツに思いを馳せる
海野和男さんの写真展は
8月17日まで開かれています。
入館料は大人500円、小中高生は無料です。